上部消化管出血リスク、セレコキシブ vs.ナプロキセン/Lancet

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ケアネット

上部消化管出血リスク、セレコキシブ vs.ナプロキセン/Lancetのイメージ

 非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)とアスピリンの併用が必要な、心血管および消化管イベントのリスクが共に高い患者に対し、セレコキシブ+プロトンポンプ阻害薬(PPI)の投与は、ナプロキセン+PPI投与に比べて、上部消化管再出血リスクが半分以下に低減することが示された。中国・香港中文大学のFrancis K L Chan氏らが、514例を対象に行った無作為化二重盲検試験による結果で、Lancet誌オンライン版2017年4月11日号で発表した。著者は結果を踏まえて、「上部消化管再出血リスクを低下させるにはセレコキシブが好ましい治療である。ナプロキセンは心血管系の安全性は確認されているが、投与を回避すべきであろう」とまとめている。

18ヵ月以内の上部消化管出血リスクを比較
 試験は2005年5月~2012年11月にかけて、香港の教育研究病院を通じ、関節炎と心臓血栓性疾患があり、上部消化管出血が認められ、NSAIDとアスピリンの併用が必要な患者を対象に行われた。

 研究グループは、潰瘍の治癒後、ヘリコバクター・ピロリ菌感染のない514例の患者を無作為に2群に分け、一方にはセレコキシブ100mg(1日2回)とエソメプラゾール20mg/日を、もう一方にはナプロキセン500mg(1日2回)とエソメプラゾール20mg/日を、いずれも18ヵ月投与した。また、すべての被験者がアスピリン80mg/日の服用を再開した。

 主要エンドポイントは、18ヵ月以内の上部消化管出血の再発だった。

上部消化管再出血リスク、セレコキシブ群がナプロキセン群の0.44倍
 その結果、上部消化管出血の再発が認められたのは、ナプロキセン群31例(胃潰瘍25例、十二指腸潰瘍3例、胃・十二指腸潰瘍1例、びらん性出血2例)に対し、セレコキシブ群は14例(胃潰瘍9例、十二指腸潰瘍5例)だった。18ヵ月以内の上部消化管再出血累積発症率は、ナプロキセン群が12.3%(95%信頼区間:8.8~17.1)に対し、セレコキシブ群は5.6%(同:3.3~9.2)と有意に半減した(p=0.008、補正前ハザード比:0.44、同:0.23~0.82、p=0.010)。

 再発が認められた患者を除外した解析において、有害事象によりNSAIDの服用を中止したのは、ナプロキセン群7%(17例)、セレコキシブ群8%(21例)だった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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