痛風性関節炎に対するプレドニゾロンの効果はナプロキセンと同等

提供元:ケアネット

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公開日:2008/06/12

 

痛風性関節炎の導入治療としての経口プレドニゾロンとナプロキセンの効果は同等であることが、オランダRadboud大学Nijmegen医療センター一般診療科のHein JEM Janssens氏らが実施した無作為化試験で明らかとなった。痛風性関節炎に使用されるナプロキセンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やコルヒチンには、消化管、腎、心血管系に対する有害事象が見られる。その一方で、全身コルチコステロイド療法が有用な治療選択肢となる可能性が指摘されていた。Lancet誌2008年5月31日号掲載の報告。

2剤の同等性を検証する二重盲検無作為化試験




研究グループは、プライマリ・ケアでの単関節痛風の治療におけるプレドニゾロンとナプロキセンの効果の同等性を検証する目的で二重盲検無作為化試験を行った。

尿酸一ナトリウム結晶の発現が確認された痛風患者120例が、プレドニゾロン群(35mg/日、5日間投与、60例)あるいはナプロキセン群(500mg×2回/日、5日間投与、60例)に無作為に割り付けられた。

治療法は患者および医師の双方ともに知らされなかった。主要評価項目は100mm視覚アナログスケールで測定された疼痛の程度とした。

プレドニゾロンも痛風治療の第一選択薬のひとつとみなすべき




両群とも1例ずつが治療を完遂できず、それぞれ59例がper protocol解析の対象となった。90時間後の疼痛スコアはプレドニゾロン群が44.7mm、ナプロキセン群が46.0mm低減し(群間差:1.3mm、95%信頼区間:-9.8~7.1)、両群の効果の同等性が示唆された。疼痛の変化の大きさの差は1.57mmであった(95%信頼区間:-8.65~11.78)。

有害事象は両群で類似しており、全般に軽度で3週間のフォローアップで軽快した。

Janssens氏は、「痛風性関節炎の導入治療としての経口プレドニゾロンの投与4日後における効果は、NSAIDsであるナプロキセンと同等である」と結論し、「プレドニゾロンは、痛風に対する第一選択の治療法のひとつとみなすべきである」と指摘している。

(菅野守:医学ライター)