抗血栓薬で硬膜下血腫リスク増大/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2017/03/09

 

 抗血栓薬服用が硬膜下血腫リスクを増大することが、デンマーク・オーデンセ大学病院のDavid Gaist氏らによる、硬膜下血腫患者約1万例とその適合対照40万例を対象としたケースコントロール試験で明らかになった。なかでも、ビタミンK拮抗薬(VKA)の服用により、硬膜下血腫発症リスクは約3.7倍と大幅な増加が認められたという。また、2000~15年にかけて抗血栓薬服用率が2倍以上に増加し、一般集団における硬膜下血腫罹患率も約1.7倍に増加したことも明らかにされた。JAMA誌2017年2月28日号掲載の報告。

硬膜下血腫患者1万例と適合対照40万例を対象に試験
 研究グループは、2000~15年に初発硬膜下血腫で入院し退院した20~89歳の患者1万10例(症例群)と、年齢、性別などを適合した40万380例(対照群)について、ケースコントロール試験を行い、抗血栓薬服用と硬膜下血腫発症との関連について検証した。

 硬膜下血腫の発症と抗血栓薬の服用については、住民ベース地域データ(48万4,346例)とデンマーク全国データ(520万例)を基に特定した。条件付きロジスティック回帰分析を用いてオッズ比(OR)を求めた。併存疾患、教育や収入レベルの補正を行った。

 関連を調べた抗血栓薬服用は、低用量アスピリン、クロピドグレル、VKA、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)と、複数の抗血栓薬の併用だった。

VKAと低用量アスピリン併用、硬膜下血腫発症リスクは約4倍に
 症例群の平均年齢は69.2歳、そのうち女性は34.6%で、抗血栓薬の服用率は47.3%だった。

 硬膜下血腫のリスクは抗血栓薬の服用者で高いことが認められた。低用量アスピリン(服用者は症例群26.7% vs.対照群22.4%)に関する補正後ORは1.24(95%信頼区間[CI]:1.15~1.33)、クロピドグレル(5.0% vs.2.2%)は1.87(同:1.57~2.24)、DOAC(1.0% vs.0.6%)は1.73(同:1.31~2.28)、VKA(14.3% vs.4.9%)は3.69(同:3.38~4.03)だった。

 VKAと他の抗血栓薬併用者の硬膜下血腫発症リスクが最も高く、VKA+低用量アスピリン併用(3.6% vs.1.1%)では、補正後ORは4.00(95%信頼区間:3.40~4.70)だった。クロピドグレルとの併用(0.3% vs.0.04%)では7.93(同:4.49~14.02)だった。

 また、抗血栓薬の服用率は2000年の31.0/1,000人から、2015年は76.9/1,000人へと倍増していた(傾向p<0.001)。それに伴い硬膜下血腫罹患率も、2000年の10.9/10万人年から2015年は19.0/10万人年へと増大が認められた(傾向p<0.001)。なかでも増大幅が最も大きかったのは75歳超の高齢者で、2000年は55.1/10万人年であったが、2015年は99.7/10万人年だった(傾向p<0.001)。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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コメンテーター : 桑島 巖( くわじま いわお ) 氏

J-CLEAR理事長

東都クリニック 高血圧専門外来