軟性S状結腸鏡検査、60歳以上の女性では効果なし?/BMJ

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2017/01/26

 

 軟性S状結腸鏡検査による大腸がんスクリーニングは、大腸がん発症リスクを男性では24%、女性では17%の減少効果があったものの、年齢別にみると60歳以上の女性については同スクリーニングによる大腸がん発症リスクの抑制効果は認められなかった。ノルウェー・Sorlandet Hospital KristiansandのOyvind Holme氏らが、被験者総数約29万例を対象に行ったプール解析で明らかにしたもので、BMJ誌2017年1月13日号で発表した。軟性S状結腸鏡検査スクリーニングは、無作為化試験で、大腸がんへの有用性が示されているが、年齢および性別にみたスクリーニング効果は不明であった。

米国、イタリア、ノルウェーの無作為化試験をプール解析
 研究グループは、3つの無作為化試験(米国のPLCO試験[Prostate, Lung, Colorectal and Ovarian cancer screening trial]、イタリアのSCORE試験[Screening for Colon and Rectum trial]、ノルウェーのNORCCAP試験[Norwegian Colorectal Cancer Prevention trial])についてプール解析を行い、軟性S状結腸鏡検査による大腸がんスクリーニングについて、性別、年齢別の有効性を検証した。

 被験者の年齢は、PLCO試験が55~74歳、SCORE試験が55~64歳、NORCCAP試験が50~64歳だった。各試験の介入群は、SCORE試験とNORCCAP試験では1回、PLCO試験では2回の軟性S状結腸鏡検査によるスクリーニングを受けた。対照群はいずれも0回だった。

大腸がん死亡リスク、女性では60歳未満で低下
 被験者総数28万7,928例を対象にプール解析を行った。被験者のうち、軟性S状結腸鏡検査によるスクリーニングを受けた人は11万5,139例、スクリーニングなしで通常のケアを受けた人は17万2,789例だった。追跡期間の中央値は、10.5~12.1年だった。

 同スクリーニングにより、男性の大腸がんの相対リスクは、0.76(95%信頼区間:0.70~0.83)、女性は0.83(同:0.75~0.92)に減少した。男性については、60歳未満と60歳超では、スクリーニングの有効性に差は認められなかった。

 一方女性では、60歳未満では同スクリーニングにより大腸がんの相対リスクは0.71(同:0.59~0.84)に減少したが、60歳以上については、同リスクの有意な減少は認められなかった(相対リスク:0.90、同:0.80~1.02)。また、大腸がん死亡率も、男性では年齢にかかわらず有意に減少し、女性では60歳未満において有意に減少した。

 大腸がんの部位別にみると、遠位部の発症についてはスクリーニングの効果は男女で同程度であったが、近位部では性および年齢間に有意な交互作用が認められた(p=0.04)。

 著者は、「スクリーニングの有益性は60歳以上女性では小さくまた統計的に有意ではなかった。同集団について、近位部腫瘍検出のより効果的なスクリーニング法を検討する必要がある」と述べている。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)