CABGにおける内胸動脈の使用、両側 vs.片側/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2016/11/28

 

 冠動脈バイパス術(CABG)における両側内胸(乳)動脈の使用と、片側内胸動脈+静脈グラフトの使用について、5年フォローアップの結果、死亡率や心血管イベント発生率について、有意な差はみられなかった。縦隔炎の発生は、両側群のほうが片側群よりも多く認められた。英国・オックスフォード大学のDavid P. Taggart氏らART研究グループが、多施設共同無作為化試験の結果、報告した。これまで観察試験のプール解析において、両側内胸動脈の使用のほうが長期アウトカムを改善する可能性が示されていた。しかし、手技が複雑、縦隔炎リスクが高い、無作為化試験によるエビデンスが不足しているとの理由から、両側内胸動脈の使用は、広く採用されていなかった。NEJM誌オンライン版2016年11月14日号掲載の報告。

7ヵ国28施設で10年フォローアップを計画した無作為化試験
 試験は、7ヵ国28の心臓手術センターで、CABGが予定されている患者を、片側内胸動脈を使用して手術を受ける(片側移植片)群、または両側内胸動脈にて手術を受ける(両側移植片)群に、無作為に割り付けて行われた。

 主要アウトカムは、10年時点の全死因死亡。副次アウトカムは、全死因死亡・心筋梗塞・脳卒中の複合とした。本稿では、5年フォローアップの中間解析の結果が報告されている。

中間解析(5年時点)では、主要アウトカムの全死因死亡に有意差なし
 試験には3,102例が登録。1,554例が片側移植片群に、1,548例が両側移植片群に無作為に割り付けられた。

 フォローアップ5年時点で、死亡率は両側移植片群8.7%、片側移植片群8.4%であった(ハザード比[HR]:1.04、95%信頼区間[CI]:0.81~1.32、p=0.77)。また、全死因死亡・心筋梗塞・脳卒中の複合アウトカムの発生率は、それぞれ12.2%、12.7%であった(HR:0.96、95%CI:0.79~1.17、p=0.69)。

 縦隔炎の発生率は、両側移植片群3.5% vs.片側移植片群1.9%であった(p=0.005)。また、胸骨再建術はそれぞれ1.9% vs.0.6%であった(p=0.002)。

 本試験は、フォローアップ10年に向けて現在も進行中である。