砂糖入り飲料、肥満に関係なく糖尿病リスク増加/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2015/08/03

 

 砂糖入りの飲料を習慣的に飲用すると、肥満の有無とは無関係に2型糖尿病のリスクが上昇することが、英国・ケンブリッジ大学の今村 文昭氏らの調査で明らかとなった。砂糖入り飲料は肥満や2型糖尿病を増加させる可能性があり、人工甘味料入り飲料や果物ジュースによる代替が検討されているが、これらの飲料と2型糖尿病との関連は確立されていない。また、砂糖入り飲料の摂取に起因する2型糖尿病の発症状況も不明だという。BMJ誌オンライン版2015年7月21日号掲載の報告。

前向きコホート試験のメタ解析、英米の人口寄与割合を評価
 研究グループは、砂糖入り飲料、人工甘味料入り飲料および果物ジュースの摂取と2型糖尿病のプロスペクティブな関連を評価するために、文献を系統的レビューし、メタ解析を行った(Medical Research Council Epidemiology Unit Core Supportの助成による)。

 砂糖入り飲料は甘味を加えたあらゆる飲料とし、砂糖入りの果物ジュースも含めたが、ダイエット用やカロリーゼロの飲料は除外した。人工甘味料入り飲料は、各試験で報告された低カロリーの清涼飲料とした。また、果物ジュースは果汁100%の飲料とし、果汁含有飲料とは区別した。

 4つの医学文献データベースを用いて、2014年2月までに発表された非糖尿病の成人を対象とした前向き試験を検索した。ランダム効果モデルを用いてメタ解析を行った。

 さらに、米国の2009~2010年の全国調査から、20歳以上の非糖尿病者1億8,910万例を代表するサンプルとして4,729例のデータを用いて人口寄与割合を算出した。また、英国の2008~2012年の全国調査から、4,470万例を代表する1,932例のデータを用いて、同様の検討を行った。

砂糖入り飲料1サービング/日で、肥満と独立にリスクが13%上昇
 日本の3つのコホートを含む17コホート(3万8,253例、1,012万6,754人年)から、事前に規定された情報のデータを抽出した。

 砂糖入り飲料の1サービング/日の増加ごとに、肥満で補正前の2型糖尿病発症の相対リスクが18%(95%信頼区間[CI]:9~28、異質性検定:I2=89%)上昇した。肥満で補正すると相対リスクの上昇は13%(95%CI:6~21、I2=79%)に低下した。

 人工甘味料入り飲料では、1サービング/日ごとの相対リスク上昇率は、肥満で補正する前は25%(95%CI:18~33、I2=70%)であり、補正後は8%(95%CI:2~15、I2=64%)まで低下した。一方、果物ジュースでは、補正前の相対リスク上昇は5%(95%CI:-1~11、I2=58%)であったのに対し、補正後は7%(95%CI:1~14、I2=51%)へと上昇した。

 砂糖入り飲料に関しては、異質性やバイアスの明確な潜在的原因は確認されなかった。一方、人工甘味料入り飲料では、出版バイアスや残余交絡が示された。また、果物ジュースと2型糖尿病の正の相関が確認されたのは患者の自己申告による試験のみで、診療記録や血糖値、HbA1c値で客観的に確かめた試験では有意な関連は認めなかった(相対リスク上昇率:8%、95%CI:-3~20、異質性検定:p=0.008)。

 2010年からの10年間における、肥満とは関連しない砂糖入り飲料による2型糖尿病の絶対イベント発生率は、米国が11.0%(2,090万件)、英国は5.8%(260万件)と推定された。人口寄与割合は、米国が8.7%(180万件、95%CI:3.9~12.9)、英国は3.6%(7万9,000件、95%CI:1.7~5.6)であった。また、両国とも、砂糖入り飲料の摂取量および2型糖尿病の人口寄与割合は、高齢者よりも若年者、女性よりも男性で高値を示した。

 著者は、「砂糖入り飲料の習慣的な摂取は、肥満とは独立して2型糖尿病の発症に寄与する。人工甘味料入り飲料や果物ジュースにも正の関連が認められたが、バイアスの関与の可能性が示唆された」とまとめ、「砂糖入り飲料の摂取量を少なくすることで2型糖尿病の新規発症が抑制される可能性があるが、砂糖入り飲料の代わりに人工甘味料入り飲料や果物ジュースを飲用しても、2型糖尿病の予防にはつながらないと考えられる」と指摘している。

(菅野守:医学ライター)