エボラワクチン、第Ib相で免疫原性確認/Lancet

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エボラワクチン、第Ib相で免疫原性確認/Lancetのイメージ

 アフリカで行われたエボラウイルスまたはマールブルグウイルスワクチンの第Ib相の臨床試験の結果、免疫原性、安全性が確認された。ウガンダ・マケレレ大学のHannah Kibuuka氏らが、同国内健康成人を対象に両ワクチンを単独または同時接種で検討した無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行い報告した。今回の所見について著者は、2014年に西アフリカでアウトブレイクしたエボラウイルス性疾患に対する、より効果的なワクチンの開発に寄与するものであると述べている。Lancet誌オンライン版2014年12月23日号掲載の報告より。

3回スケジュール接種群とプラセボ群で評価
 RV 247試験と命名された本検討は、ザイール/スーダン・エボラウイルス糖蛋白をエンコードしたワクチン(EBOワクチン)と、マールブルグウイルス糖蛋白をエンコードしたワクチン(MARワクチン)の2つのDNAワクチンについて、安全性、免疫原性を評価することが目的であった。試験は、ウガンダのカンパラにある1施設で行われ、18~50歳の健常成人を5対1の割合で、ワクチン接種(0、4、8週の3回)群とプラセボ群に無作為に割り付けて評価した。なおワクチン接種群はさらに、EBOワクチン単独、MARワクチン単独、両ワクチン接種群に均等に割り付けられた。

 主要試験目的は、ワクチンの安全性と忍容性の評価で、局所および全身性の反応原性(reactogenicity)と有害事象で評価した。また、免疫原性について、3回接種完了後4週時点でELISA、T細胞反応(ELISpot、細胞内サイトカイン染色分析)を基に評価した。

ザイール/スーダン・エボラウイルス糖蛋白への抗体反応、単独接種で50~57%
 2009年11月2日~2010年4月15日に、108例が試験に登録され、全員が1回以上、試験ワクチンの接種を受けた。3回接種スケジュールを完了したのは100例であった。

 解析には全108例を組み込んだ(EBO単独、MAR単独、両接種は各30例、プラセボ18例)。免疫原性についてはデータが入手できた107例(MAR単独接種群1例で未入手)を対象に評価された。

 結果、試験ワクチンの忍容性は良好であり、局所または全身性の反応について、両接種群で有意な差はみられなかった。ワクチンは、接種された糖蛋白に特異的な抗体反応およびT細胞反応を誘発したことが認められた。ワクチンの単独または両接種による差は認められなかった。

 ザイール糖蛋白に抗体反応を示したのは、EBOワクチン単独接種群のうち17/30例(57%、95%信頼区間[CI]:37~75%)、両ワクチン接種群では14/30例(47%、同:28~66%)だった。スーダン糖蛋白への抗体反応は、EBOワクチン単独接種群15/30例(50%、31~69%)、両ワクチン接種群15/30例(50%、31~69%)で認められた。

 マールブルグ糖蛋白への抗体反応を示したのは、MARワクチン単独接種群は9/29例(31%、15~51%)、両ワクチン接種群7/30例(23%、10~42%)であった。

 また、ザイール糖蛋白へのT細胞反応を示したのは、EBOワクチン単独接種群19/30例(63%、44~80%)、両ワクチン接種群は10/30例(33%、17~53%)だった。スーダン糖蛋白へのT細胞反応を示したのは、EBOワクチン単独接種群13/30例(43%、25~63%)、両ワクチン接種群は10/30例(33%、17~53%)だった。

 マールブルグ糖蛋白へのT細胞反応を示したのは、MARワクチン単独接種群15/29例(52%、33~71%)、両ワクチン接種群は13/30例(43%、25~63%)だった。

(武藤まき:医療ライター)

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エボラ、マールブルグウイルスワクチンの安全性と免疫原性(解説:吉田 敦 氏)-302

コメンテーター : 吉田 敦( よしだ あつし ) 氏

東京女子医科大学 感染症科

J-CLEAR推薦コメンテーター

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