揚げ物は肥満遺伝子を活性化する?/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2014/04/03

 

 肥満遺伝子と肥満の関連は、揚げ物の摂取頻度が増えることで増強されることが判明した。10リスクアレル当たりの肥満に関するオッズ比は、揚げ物摂取頻度が週1回未満だと1.61に対し、4回以上だと2.72に上ることが示されたという。米国・ハーバード公衆衛生大学院のQibin Qi氏らが、看護師健康調査(Nurses’ Health Study)や医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study)などのデータを基に行った検討で明らかにした。著者は「今回の所見は、遺伝的に肥満体質の人は、とくに揚げ物の摂取量を減らすことが重要であることを強調するものである」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年3月19日号掲載の報告より。
 

女性1万例弱、男性6,000例超について追跡
 研究グループは、看護師健康調査に参加した女性9,623例と、医療従事者追跡調査に参加した男性6,379例、また再現コホートとして女性ゲノム健康調査(Women’s Genome Health Study)の被験者2万1,421例を対象に、遺伝的素因と揚げ物摂取頻度が、BMIと肥満に及ぼす影響について分析を行った。主要アウトカムは、追跡期間中のBMIだった。

 その結果、看護師健康調査と医療従事者追跡調査の両方で、揚げ物摂取頻度と32 BMI関連変異体に基づく遺伝子リスクスコアに、BMIとの関連が認められた(相互作用に関するp≦0.001)。

揚げ物頻度が増えると、10リスクアレル当たりの肥満リスクが増大
 遺伝子リスクスコアの高位3分の1の人についてみると、揚げ物を週に4回以上摂取する人と、週に1回未満しか摂取しない人のBMIの差は、女性で1.0、男性で0.7に上った。それに対し、リスクスコアの低位3分の1の人では、同差は女性が0.5、男性が0.4にとどまった。こうした遺伝的要素と食事との相互作用は、女性ゲノム健康調査でも再現された(相互作用に関するp<0.001)。

 10リスクアレル当たりのBMI差は、揚げ物摂取頻度が増えるに従い増大し、週に1回未満だと1.1(SE 0.2)、1~3回だと1.6(SE 0.3)、4回以上だと2.2(SE 0.6)だった(相互作用に関するp<0.001)。

 10リスクアレル当たりの肥満に関するオッズ比は、摂取頻度が週1回未満だと1.61、1~3回だと群2.12、4回以上だと2.72だった(相互作用に関するp=0.002)。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)