尿道カテーテル抜去時の抗菌薬予防的投与、短期入院患者ではベネフィットがある/BMJ

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2013/06/26

 

 入院患者の尿道カテーテル抜去時の抗菌薬予防的投与について、カテーテルを受けていた期間が短期の患者については同投与をしたほうがベネフィットがあることを、米国・ワシントン大学のJonas Marschall氏らがメタ解析の結果、報告した。著者は、「患者がベネフィットを受けるかを見極めて投与を行えば、抗菌薬予防的投与の不利益(副作用、コスト、耐性菌の発生)は軽減できうる」と述べている。BMJ誌オンライン版2013年6月11日号掲載の報告より。

2012年11月以前に発表された試験についてメタ解析
 Marschall氏らは、尿道カテーテル抜去時の抗菌薬予防的投与が、尿路感染症のリスクを低下するのかを評価することを目的に、メタ解析を行った。

 PubMed、Embase、Scopus、Cochrane Libraryを介して、2012年11月以前に発表された試験を検索しシステマティックレビューとメタ解析を行った。また、2006~2012年の米国感染症学会などの学会発表アブストラクトについてもレビューを行った。

 適格としたのは、抗菌薬予防的投与により、短期(14日以内)尿道カテーテル抜去後の症候性尿路感染症を予防することについて評価を行っていた試験とした。

対照群とのリスク比は0.45、NTTは17
 システマティックレビューにより246件(PubMedを介した主要サーチ)と221件(PubMedほかを介したセカンドサーチ)の試験が検出され、そのうち適格基準を満たした7件(エンドポイントが尿道カテーテル抜去後の症候性尿路感染症であった)がメタ解析に組み込まれた。

 7件のうち、6件は無作為化試験(5件は発表論文、1件はアブストラクト)、1件は非無作為化対照介入試験であった。7件のうち5件は、外科患者を対象としていた。また、試験間の抗菌薬の種類、投与期間、観察期間は不均一だった。

 解析の結果、全体的には、抗菌薬予防的投与は患者のベネフィットと関連していた。介入群と対照群の尿路感染症リスクの絶対差(低下)は5.8%で、リスク比は0.45(95%信頼区間[CI]:0.28~0.72)。

 尿路感染症1例の予防に必要な抗菌薬予防的投与(NTT)は17(95%CI:12~30)だった。

(武藤まき:医療ライター)