MMRワクチン再びの推進突破口はどこにあるか

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2008/04/18

 

 英国でMMRワクチン接種が導入されたのは1988年。生後13ヵ月までの接種が推奨され1995年には2歳児までの接種率が92%に達したが、1998年にワクチン接種が自閉症や腸疾患と関連するとの調査報告がされ79%(2003年)まで落ち込んだ。その後、報告は根拠のないものと証明されたが、一部の親はいまだに否定的で最新接種率(2007年7~9月)は85%にとどまっている。英国UCL 小児保健研究所のAnna Pearce氏らは、ワクチン接種推奨のターゲットを絞り込むため、接種に影響している因子について検証した。BMJオンライン版2008年2月28日付、本誌2008年4月5日号より。

英国ミレニアムコホート14,578例の接種状況と背景因子を解析

 本研究では、MMRワクチン接種と単一抗原ワクチン接種とを評価し、MMRが選択されない因子を探った。対象は2000~2002年に生まれた「英国ミレニアムコホート」で、ワクチン免疫のデータが入手できた小児14,578例について、3歳時点で「MMR接種を受けた」「単一抗原ワクチン接種を受けた」「接種を受けていない」を主要評価項目に解析された。

「単一ワクチン接種」派は「高収入」「高齢出産」「高学歴」

 対象で「MMR接種を受けた」は88.6%(13,013例)、「単一抗原ワクチン接種を受けた」は5.2%(634例)だった。

 「MMR接種を受けていない」因子として浮かび上がったのは、「きょうだいが3人以上いる」「片親」「母親の出産時年齢が20歳以下」「母親の出産時年齢が34歳以上」「母親が高学歴(学士取得)」「母親が無職」「母親が自営業」。

 「単一ワクチン接種」派の因子として浮かび上がったのは「高収入世帯(52,000ポンド以上;ユーロ換算69,750、ドル換算102,190)」「母親の出産時年齢が40歳以上」「母親が高学歴(学士取得)」だった。

 逆に「単一ワクチン接種」派ではない因子として浮かび上がったのは、「きょうだいが3人以上いる」、母親が「インド人」「パキスタンもしくはバングラディッシュ人」「黒人系」、そして「母親の出産時年齢が25歳以下」だった。

 MMR接種をしなかった親の4分の3(74.4%、1,110例)が「意図的な選択」で 接種を拒否したことも明らかとなった。理由としては「危険すぎる(24.1%)」「子どもに合わない(18.6%)「自閉症との関連への懸念(14.1%)」「ネガティブ報道」(9.5%)となっていた。

 Pearce氏らは「ミレニアムコホートのMMR接種率は高率だが、主に親の『意図的な選択』で、かなりの小児が感染しやすい状況に置かれている。接種格差の実態は、接種推進の介入目標を明らかにすることができた」と結論している。