グリタゾン系薬剤は糖尿病合併心不全患者の予後増悪?:体系的レビュー

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慢性心不全患者ではHbA1c低値が予後増悪の予知因子と報告されているが、予後を増悪させているのはチアゾリジン誘導体(グリタゾン系薬剤)で、メトホルミンではそのようなおそれが少ないことが示唆された。Institute of Health Economics(カナダ)のDean T. Eurich氏らがBMJ誌8月30日付けHPにて早期公開論文として報告した(その後本誌では9月8日号にて掲載)。

メトホルミンでは増悪認めず


Eurich氏らは、血糖低下薬と死亡・入院の関係を糖尿病合併心不全患者で検討しており、チェックリストにより一定の質が認められた8試験(13論文)のデータを体系的にレビューした。

その結果、まずインスリンは心不全患者の総死亡を増加させていた可能性が示唆された。SU剤も同様の可能性が示された。

一方メトホルミンは、SU剤などと比較した2試験15,763例をプール解析したところ、「全入院」のリスクが有意に低下していた(オッズ比:0.85、95%信頼区間:0.76~0.95)。

一方、グリタゾン系薬剤をSU剤などと比較したプール解析(4試験、22,476例)では、「全入院」のリスクがグリタゾン系薬剤群で有意に増加していた(オッズ比:1.13、95%信頼区間:1.04~1.22)。

Eurich氏らは、ロシグリタゾンによる心不全増加が近年示唆されている点などを指摘しながら、「現状では心不全患者の予後を増悪させない唯一の血糖降下薬はメトホルミンである」と結論している。

なお、米国医師会雑誌(JAMA)9月12月号に掲載されたWake Forest University(米国)のCurt Furberg氏らによるメタ解析は、当初Cleveland Clinic(米国)のSteven Nissen氏らによるメタ解析が見いだしたロシグリタゾンによる心イベント増加を否定している。Eurich氏らも述べているが、メトホルミンとグリタゾン系薬剤の直接比較が必要であろう。

(宇津貴史:医学レポーター)

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