転移性前立腺がんの間欠的アンドロゲン除去療法、持続的投与に対する非劣性示せず/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2013/04/11

 

 ホルモン感受性の転移性前立腺がんの治療において、抗アンドロゲン薬の間欠的投与は持続的投与に対し、全生存期間(OS)に関して非劣性ではないことが、米国・ミシガン大学のMaha Hussain氏らの検討で明らかとなった。現在の標準治療である持続的アンドロゲン除去療法は高い奏効率をもたらすが、ほとんどの患者が去勢抵抗性(アンドロゲン非依存性)となり、OS中央値は2.5~3年とされる。間欠的投与はアンドロゲン依存性の期間を延長させる可能性があり、持続的投与に比べ投与期間が短縮するためQOLの改善も期待できると考えられていた。NEJM誌2013年4月4日号掲載の報告。

5つの研究グループが参加、間欠的投与の非劣性を検証
 研究グループは、間欠的アンドロゲン除去療法の、持続的アンドロゲン除去療法に対する非劣性を検証する無作為化試験を実施した。本試験には、米国のSWOG、ECOG、CALGB、欧州のEORTCおよびカナダのNCIC-CTGが参加した。

 新規に診断されたホルモン感受性の転移性前立腺がんで、全身状態(PS)が0~2、前立腺特異抗原(PSA)≧5ng/mLの患者に対し、導入治療として7ヵ月間のLHRHアナログ+抗アンドロゲン薬治療を施行し、PSA≦4ng/mLを達成した患者が対象となった。これらの患者を、前ホルモン療法の有無、PS(0/1 vs 2)、病変の範囲[minimal(脊椎、骨盤骨、リンパ節)vs. extensive(肋骨、長骨、内臓)]で層別化したうえで、アンドロゲン除去療法の間欠的投与を行う群または持続的投与を行う群に無作為に割り付けた。

 主要評価項目は、生存に関する間欠的投与の持続的投与に対する非劣性および3ヵ月後のQOL(勃起不全、性欲、活力、精神的健康、身体機能)とした。ハザード比(HR)の90%信頼区間(CI)の上限値が1.20を超えない場合に非劣性と判定し、QOLの評価は割り付け時、3、9、15ヵ月に行った。

死亡リスクが20%以上高い可能性を排除できない
 1995年5月~2008年9月までに3,040例が登録され、導入治療でPSA≦4ng/mLを達成した患者のうち1,535例が解析の対象となった。間欠的投与群が770例(年齢中央値:70歳、導入治療開始時のPSA中央:41ng/mL、PS 0/1:96%、extensive:49%)、持続的投与群は756例(70歳、43ng/mL、96%、47%)で、追跡期間中央値は9.8年だった。

 OS中央値は、間欠的投与群が5.1年、持続投与群は5.8年で、間欠的投与群の死亡のHRは1.10(90%CI:0.99~1.23)であり、非劣性は示されなかった。

 勃起不全は3ヵ月後(p<0.001)、9ヵ月後(p<0.001)まで、精神的健康は3ヵ月後(p<0.003)までは間欠的投与群で有意に優れたが、その後は有意な差はなくなった。治療関連の重篤な有害事象の発現は両群間で差はなかった。

 著者は、「本試験の知見は、転移性ホルモン感受性前立腺がんに対する間欠的アンドロゲン除去療法の死亡リスクが持続的アンドロゲン除去療法よりも20%以上高い可能性を排除できないというものであった。QOLの改善効果も小さなものだった」とまとめている。

(菅野守:医学ライター)