「果実のスムージー」が肌の色に与える影響

提供元:ケアネット

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公開日:2016/03/14

 

 スムージーは、生の緑の葉野菜やフルーツなどと水をブレンダーやミキサーで混ぜ合わせた飲み物ものである。野菜や果物に豊富に含まれるカロテノイドをはじめとする栄養素や、豊富な食物繊維が簡単に、おいしく摂取できるため、健康志向の人々の間で注目されている。

 カロテノイドのサプリメントがアジア人の肌の色に与える影響についてはこれまでに多くの研究が報告されているが、果物や野菜中のカロテノイド摂取量が肌の色に与える影響については、ほとんど知られていない。そこで、ノッティンガム大学マレーシアキャンパスのKok Wei Tan氏らは、フルーツスムージー中のカロテノイドが肌の色に与える影響を調査した。PLOS ONEオンライン版2015年7月号の報告。

 調査対象は81人の健常なマレーシア系華人の大学生(男性34人、女性47人)、平均年齢は20.48歳(SD=1.22)であった。フルーツスムージーを摂取する群(介入群)と、ミネラルウオーターを摂取する群(対照群)に無作為に割り付け、6週間毎日 500mLずつ摂取させた。被験者は肌の黄色み、赤み、輝度に関するベースラインからの変化を介入期間中2回、2週間のフォローアップ期間終了後に1回測定された。

 主な結果は以下のとおり。

・4週後、介入群の肌の黄色みは有意に増加した。(p<0.001)
・4週後、介入群の肌の赤みは有意に増加したが、黄色みと比較すると軽度の変化であった。(p<0.001)
・介入群の肌の赤み、黄色みともにフォローアップ期間後も増大したままだった。
・肌の輝度は、介入群でわずかに減少したものの、対照群と有意差はみられなかった 。(p=0.013)

 著者らは、本試験を「カロテノイドが豊富に含まれたフルーツスムージーはアジア人の肌の黄色み・赤みを増大させる」と結論付けた。また、肌の反射スペクトルの解析結果から、肌の色の変化は、カロテノイドの肌への沈着による肌の色の変化によるものであろうと考察した。

(ケアネット 中野敬子)