高齢の進行非小細胞肺がんに単剤療法と併用療法はどちらが有用か?:無作為化第II相試験

提供元:ケアネット

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公開日:2012/06/22

 



高齢者に対する化学療法において併用療法の有用性が議論されている。今回、高齢の進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対して、隔週ゲムシタビン(商品名:ジェムザールなど)+低用量カルボプラチン(商品名:パラプラチンなど)併用療法が、有効性、安全性、忍容性において容認されるという結果が、無作為化第II相試験で得られた。2012年6月15日付Lung Cancer誌オンライン版に掲載された。著者の浜松医科大学の草ヶ谷氏らは、今回の結果を確認するために多数の患者でのさらなる検討が必要としている。

本試験では、76歳以上の未治療NSCLC患者が、隔週ゲムシタビン+カルボプラチン併用療法(ゲムシタビン1,000mg/m2+カルボプラチンAUC3、1,15日目、4週ごと)に31例、ゲムシタビン単剤療法(1,000mg/m2、1,8,15日目、4週ごと)に30例が、無作為に割り付けられ検討された。患者の平均年齢は79.0歳、主要エンドポイントは全奏効率。

主な結果は以下のとおり。

・全奏効率は、併用療法が22.6%(95%CI:11.4~39.8)、単剤療法10.0%(95%CI:3.5~25.6)であった。
・無増悪生存期間中央値は、併用療法が3.9ヵ月(95%CI :0.5~8.5)で、単剤療法の2.4ヵ月(95%CI:0.5~6.7)に比べて有意に長かった。
・グレード3/4の血液学的および非血液学的有害事象の発現率は、両群で有意差はなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)