プロサッカー選手はALSリスクが高い?

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HealthDay News

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 プロサッカー選手は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症リスクが高い可能性があることが、マリオネグリ薬理学研究所(イタリア)のEttore Beghi氏らが実施した研究で示唆された。この研究では、サッカー選手は、一般集団よりも若年でALSを発症する可能性があることも示された。研究結果の詳細は、米国神経学会(AAN 2019、5月4~10日、米フィラデルフィア)で発表される予定だ。

 ALSは、手や足、顔などを自分の思い通りに動かす際に必要とされる随意筋を支配する神経細胞(運動ニューロン)が障害される、まれな神経疾患である。運動ニューロンが侵されると、脳からの信号が筋肉に伝わらなくなり、筋肉がやせていく。ALSは時間の経過とともに進行し、最終的には死に至るが、治療法はまだ開発されていない。

 Beghi氏らによれば、これまでイタリアのプロサッカー選手の間でALSによる死亡例が複数確認されている。また、これまでのALSの研究から、繰り返し経験する頭部外傷がそのリスク因子である可能性が示されていた。そこで、同氏らは今回、1959~2000年の間に、約2万5,000人のイタリアでプレーしていたサッカー選手と一般集団のALS発症リスクを比較検討した。

 その結果、追跡期間中に33人のプロサッカー選手がALSを発症しており、その発症率は年間10万人当たり平均3.2症例であった。一方、イタリアの一般人口におけるALSの発症率は、年間10万人当たり平均で1.7症例であり、プロサッカー選手がALSを発症する確率は一般集団の約2倍であることが分かった。

 特に、45歳以下のプロサッカー選手に限ると、ALSの発症率は一般集団の4.7倍に上ることも明らかになった。また、ALSの平均発症年齢は、一般集団では63歳だったのに対し、プロサッカー選手では43歳とはるかに若年であることも示された。

 Beghi氏は「繰り返し経験する外傷性損傷や激しい運動、薬物の使用も、サッカー選手のALSリスクを高める要因となり得ることに注意する必要がある」と述べ、さらに「遺伝が関係する可能性もある」と付け加えている。

 一方、Beghi氏らは「今回の研究は、プロサッカー選手のみを対象としたもので、この結果がそのままアマチュアのサッカー選手にも当てはまるわけではない」と指摘している。その上で、「ALSはまれな疾患であり、この研究結果をもとに、サッカーをやめた方がいいのかなどを考える必要はない」と付け加えている。なお、学会発表された研究結果は、査読のある医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

[2019年2月28日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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