「長時間のゲーム」「夏生まれ」で子どもの近視リスク増加

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HealthDay News

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 スマートフォンやパソコンなどの電子機器を使う時間が長い子どもや夏生まれの子どもは近視になりやすい可能性があることが、英キングス・カレッジ・ロンドンのChristopher Hammond氏らが実施した新たな研究で明らかになった。母親の教育レベルが高いことも子どもの近視のリスク因子であったという。詳細は「British Journal of Ophthalmology」11月6日オンライン版に掲載された。

 世界的に増加がみられる近視の原因として、眼の発達段階にある小児期の読書や電子機器の普及が挙げられている。Hammond氏らは今回、英国の小児を対象に、近視のリスク因子を検討する観察研究を実施した。

 対象は、英国で1994~1996年に出生した1,991組の双生児で、屈折検査を実施した時点の年齢は5.7~18.8歳(中央値16.7歳)であった。子ども本人に視力検査を実施し、両親と教師には質問紙調査を実施して近視と関連する可能性がある因子について情報を収集した。

 子どもが近視用の眼鏡を使い始めた平均年齢は11歳であった。全体の約26%に近視がみられ、弱視と斜視はそれぞれ約5%と約4.5%みられた。

 解析の結果、子どもの近視リスクを高める因子として、母親が大学教育を受けていること(オッズ比1.33、95%信頼区間1.11~1.59)、子どもが夏生まれであること(同1.93、1.28~2.90)、コンピューターゲームなどの電子機器の使用時間が長いこと(同1.03、1.01~1.06)が挙げられた。さらに、不妊治療で生まれた子どもは近視になるリスクが低いことも分かった(同0.63、0.43~0.92)。

 Hammond氏らは、夏生まれの子どもが近視になるリスクが高い理由について、「英国では9月に新学期が始まるため、夏生まれの子どもは冬生まれの子に比べ低月齢で就学することが影響するのではないか」と推測している。また、電子機器の長時間の使用はそれ自体が近視のリスク因子であるが、同氏らは「スマートフォンやパソコンを使用することで、屋外で過ごす時間が減ることも一因ではないか」と指摘。外遊びなど屋外で過ごすことは近視予防にもなることから、1日に2時間は屋外で過ごすことを勧めている。

 近視は眼鏡やレーザー手術、コンタクトレンズの着用で矯正できるが、近視の人は後に白内障や緑内障などを発症するリスクが高いとされる。近視の人は2010年には世界で20億人と推計されているが、2050年には50億人に上ると予想される。Hammond氏は「近視のリスク因子には遺伝も関連するが、遺伝的要素だけではこれほどの急激な増加の原因とはならない」と付け加えている。

 付随論評を執筆したシンガポール国立眼科センターのTien Wong氏も、今回の結果を受けて、「子どもの近視を予防するには、電子機器の使用時間を制限し、屋外で過ごす時間を増やすことが有用だ」と述べている。

[2018年11月6日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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