「飲み残した抗菌薬の不適切な使用」に専門家ら警鐘

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HealthDay News

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 子どもに処方された抗菌薬の飲み残しを保管して、後にきょうだいなど処方された子ども以外の家族に使う親が驚くほど多いことが、米コーエン小児医療センターのRuth Milanaik氏らの調査で明らかになった。同氏らは「抗菌薬の不適切な使用は、薬剤耐性菌の増加をもたらす可能性がある」と警鐘を鳴らしている。この調査結果は米国小児科学会(AAP 2018、11月2~6日、米オーランド)で発表された。

 Milanaik氏らは今回、米国の子どもを持つ父母496人を対象に、抗菌薬の使用に関するオンライン調査を実施した。その結果、回答者の約48%が「抗菌薬が残った場合、処分せずに保存しておく」と答えた。また、このうち73%は「飲み残した抗菌薬をきょうだいや家族以外の子ども、あるいは大人に渡したことがある」と回答した。中には処方されてから数カ月後に残った抗菌薬を別の人に渡したり、使っていたケースもあったほか、一部の親は自身が残した抗菌薬を自分で使用した経験があった。

 飲み残した未使用の抗菌薬を使う理由として回答者が最も多く挙げていたのは、「医療費を節約するため」だった。また、飲み残しの抗菌薬を使う際には処方された用量で使用するケースが多くみられたが、「使用する子どもの年齢に基づいた推定量を使った」という親もいた。さらに、回答者の16%は「大人用の薬を子どもにも使わせたことがある」と回答していた。

 Milanaik氏は「抗菌薬の不適切な使用は、処方されていないのに薬を服用する本人だけに危険が及ぶだけでなく、抗菌薬を必要とする全ての人に影響する問題だ」と強調している。

 また、Milanaik氏はこの結果を受け、「子どもを持つ親は、抗菌薬の使用に関する正しい知識を身に付け、医師の指示がなく抗菌薬を使用することの危険性を理解することが重要だ」と指摘。さらに、「抗菌薬の開発は医療に変革をもたらしたが、薬剤耐性菌の増加を避けるためには、医師がその適正使用と適切に処分することの大切さを啓発していく必要がある」と同氏は話している。

 なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

[2018年11月2日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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