血中プロラクチン値が高いほど2型糖尿病になりにくい?

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HealthDay News

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 女性は、脳下垂体前葉から分泌され、乳汁の産生や分泌を調整するホルモンであるプロラクチンの血中濃度が高いほど2型糖尿病になりにくい可能性があることが、米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のJun Li氏らの検討で分かった。詳細は「Diabetologia」10月11日オンライン版に掲載された。

 この研究は、米国の女性看護師を対象とした大規模調査であるNurses' Health Study(NHS)およびNHS IIのデータを分析したもの。これらの研究に参加した女性のうち、研究開始時点で2型糖尿病や心血管疾患のない8,615人を対象に、前向きに最長22年間追跡して血中プロラクチン濃度と2型糖尿病リスクの関連を検討した。参加者のほとんどは白人で、研究開始時点には40歳代後半から50歳代の女性が多かった。

 追跡期間中に699人の女性が新たに2型糖尿病を発症した。対象とした女性をプロラクチンの血中濃度で4つの群に分けて比較した結果、閉経状況やその他のリスク因子で調整した解析でも、プロラクチンの血中濃度が最も高い群では最も低い群に比べて2型糖尿病リスクが27%低いことが分かった(ハザード比0.73、95%信頼区間0.55~0.95、傾向P値0.02)。

 Li氏らによれば、プロラクチンは妊娠や授乳だけでなく代謝や免疫制御、水分バランスの調整など多くの重要な役割を担うという。また、これまでの研究で、プロラクチンはインスリン分泌やインスリン抵抗性に関与することが示唆されている。一般にプロラクチンの血中濃度が高いと乳がんリスクの上昇と関連するほか、正常範囲よりも高値を示すと体重増加やインリン抵抗性の増大をもたらすとされている。

 専門家の一人で米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は「プロラクチンは乳腺で作られ、授乳期間中にはプロラクチンの血中濃度は高くなることが知られている。しかし、このホルモンが男性でどのような機能を果たすのかは明らかになっていない」と説明している。

 Li氏は、今回の研究結果は血中プロラクチン高値と2型糖尿病リスクの低減を関連づけるものだが、因果関係を示したものではないと強調している。その上で「プロラクチンの血中濃度を高めると糖尿病予防につながると結論づけるのは時期尚早であり、さらなる研究でメカニズムを解明し、臨床応用していく必要がある」と話している。

[2018年10月11日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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