自殺者の約10人に1人に慢性疼痛

提供元:
HealthDay News

自殺者の約10人に1人に慢性疼痛のイメージ

 米国では、慢性的に続く疼痛が耐えがたく自殺を選ぶ人も少なくないことが、新たな研究で示唆された。研究の詳細は「Annals of Internal Medicine」9月11日オンライン版に掲載された。

 米国では2500万人を超える成人が慢性的な痛みを抱えており、このうち1050万人は憂慮すべき痛みに毎日耐えているとされる。米国立傷害予防管理センター(NCIPC)のEmiko Petrosky氏らは今回、全米暴力死報告制度(National Violent Death Reporting System)に登録している米国18州で2003~2014年に発生した12万3,181件の自殺のデータを分析した。

 その結果、自殺者の8.8%(1万789人)は慢性的な痛みを抱えていたことが明らかになった。これらの多くは腰痛やがん性疼痛、関節炎が占めていた。また、慢性疼痛を抱えている自殺者の割合は、2003年の7.4%から2014年には10.2%へと増加していた。

 さらに、自殺者でも慢性疼痛のない人に比べて、慢性疼痛を伴う人では不安症やうつ病と診断される割合が高かった。慢性疼痛のある自殺者の半数以上(約54%)が拳銃自殺であり、オピオイドの過剰摂取による死亡も約16%に達していた。薬物検査の結果を入手できた自殺者では、慢性疼痛のある人はない人に比べて死亡時にオピオイドが検出される確率が大幅に高かった。

 米ミシガン大学精神科のMark Ilgen氏は同誌の付随論評で、事態はもっと複雑だとの見方を示している。同氏は「今回の研究では、疼痛を訴えていた自殺者の3分の2以上が自殺への誘因として、痛みやそれによる長期にわたる苦痛を挙げていた」と指摘する。その上で、「今回の結果は、疼痛の治療では痛みを軽減するだけでなく、慢性疼痛を抱えている患者に生きる希望を与えることも重要なことが示された」と話している。

 また、Ilgen氏は、自殺とオピオイド使用の関連については今後、より詳しく研究する必要があるほか、慢性疼痛患者のケアの一環として自殺予防対策を組み入れることが重要だと付け加えている。

[2018年9月20日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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