妊娠初期の血液検査で妊娠糖尿病リスクは予測可能か

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HealthDay News

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 妊娠10週前後の早い時期に血液検査で妊娠糖尿病の徴候を捉えられる可能性のあることが、米国立小児保健発育研究所(NICHD)のCuilin Zhang氏らによる研究で明らかになった。研究結果の詳細は「Scientific Reports」8月16日オンライン版に発表された。

 妊娠糖尿病は妊娠中に発見または発症した糖代謝異常のことで、母子ともに健康に深刻な影響を与える。例えば、女性は妊娠糖尿病になると妊娠高血圧症候群や帝王切開のリスクが高まるほか、出産後も心疾患や2型糖尿病になりやすくなる。また、出生した子どもが巨大児となるリスクも上昇する。

 一般に妊娠糖尿病のスクリーニングは、妊婦に肥満などの既知のリスク因子がなければ妊娠24~28週に実施される。Zhang氏らは今回、妊娠第1トリメスター(妊娠初期)の妊婦に対し、2型糖尿病の診断に用いられているHbA1c検査で妊娠糖尿病のリスクを予測できるかどうかを検討した。

 研究では、米国内の12施設から登録した女性2,802人を対象としたコホート研究のデータを用いて、妊娠糖尿病を発症した107人と、年齢や人種、妊娠週数をマッチさせた対照群214人を対象に、妊娠初期(妊娠8~13週)、妊娠中期(16~22週および24~29週)、妊娠後期(34~37週)にHbA1c値を測定し、比較検討した。

 その結果、妊娠糖尿病を発症した妊婦の群では、対照群と比べて妊娠初期の平均HbA1c値が高かった(5.3%対5.1%)。また、妊娠初期のHbA1c値が5.1%よりも0.1%上昇するごとに、妊娠糖尿病の発症リスクは22%有意に上昇することも明らかになった。

 さらに、妊娠中期の平均HbA1c値は妊娠糖尿病群と対照群のいずれにおいても低下したが、妊娠後期には再び上昇していた。Zhang氏らによると、妊娠第3トリメスターにはインスリン感受性が低下することが知られており、この結果はインスリン感受性の変化と一致しているという。

 以上を踏まえ、Zhang氏は「妊娠初期のHbA1c検査は、妊娠糖尿病を発症するリスクが高い妊婦を特定するのに役立つ可能性があることが示された。妊娠糖尿病のリスクを低減するには生活習慣の是正が重要だが、妊娠初期に検査で高リスクであることが判明し、早い段階から介入することでより大きな効果が得られると考えられる」と説明している。

 ただし、Zhang氏らは、妊娠初期のHbA1c検査で妊娠糖尿病リスクを判定できるかどうか、また妊娠前あるいは妊娠初期からの生活習慣の是正によって妊娠糖尿病リスクを低減できるかどうかについては、さらなる研究で検討する必要があるとしている。なお、妊娠糖尿病の予防を目的とした生活習慣には運動や健康的な食生活が挙げられる。これらを是正しても効果が得られない場合には、血糖コントロールのためにインスリンが処方される場合もある。

[2018年8月16日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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