わずかな減量でも乳がんリスクが低減

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HealthDay News

わずかな減量でも乳がんリスクが低減のイメージ

 閉経後に3年間で5%程度減量すると乳がんの発症リスクが12%低下する可能性があるという新しい研究結果が、米サンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS 2017、12月5~9日、米サンアントニオ)で発表された。

 研究を主導した米シティ・オブ・ホープ病院のRowan Chlebowski氏は「適正体重にならなくても、わずかな減量で乳がんリスクの低減効果が得られるとする今回の結果は、多くの女性にとって励みになるだろう。5%程度の減量であれば取り組みやすく、体重も維持しやすい」と述べている。

 肥満が乳がんのリスク因子である可能性を示す研究結果はこれまで報告されているが、減量がリスク低減につながるのか否かは明らかにされていなかった。Chlebowski氏らは今回、米国立衛生研究所(NIH)が行ったWomen's Health Initiative(WHI)研究に参加した閉経後女性6万1,335人を対象に、研究開始時と3年後に体重を測定し、前向きに追跡した。研究参加当時(1993~1998年)の女性の年齢は50~79歳で、乳がんの既往歴がなく、マンモグラフィー検査の結果も正常であった。

 平均で11.4年の追跡期間中に3,061人が浸潤性乳がんを発症した。解析の結果、追跡期間中の体重に変化がみられなかった女性(約4万1,100人)と比べて、5%以上減量した女性(約8,100人)では乳がんの発症リスクが12%低下した。また、15%以上減量した女性では乳がんリスクは37%低下することも分かった。

 なお、研究開始時点の平均BMIは体重に変化がみられなかった女性では26.7だったのに対し、5%以上減量した女性では29.9であった。この点について、Chlebowski氏は「5%以上減量した女性はベースライン時に体重がより重く、活動量も少なかった」と指摘している。

 さらに、追跡期間中に5%以上体重が増加した女性(約1万2,000人)を対象に、体重増加による乳がんリスクへの影響を調べたところ、これらの間に関連は認められなかった。ただし、トリプルネガティブ乳がんについては、閉経後の体重増加でリスクが54%増大していた。Chlebowski氏らは、特定の乳がんでこうした関連が認められた理由は不明だとしている。

 Chlebowski氏らは「減量にはさまざまな因子が関連しており、例えば減量によって身体の炎症が抑えられたことでがんリスクが低下した可能性が考えられるが、この研究はこれらの因果関係を証明したものではない」と話している。

 専門家の一人、米ニューヨーク大学(NYU)ウィンスロップ病院のVirginia Maurer氏は「運動量を増やしたり減量することは乳がんだけでなく、糖尿病や心血管疾患、関節の障害などのリスクの低減にもつながる」と強調し、週に3~4時間の有酸素運動や筋肉トレーニングを行うことを推奨している。なお、学会で発表された研究結果は、査読を受けた専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

[2017年12月8日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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