カルバペネム耐性菌、医療機関で相次ぎ検出-専門家が調査、手指消毒など徹底も

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CBnews
  • 公開日:2017/09/05
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カルバペネム耐性菌、医療機関で相次ぎ検出のイメージ

 病棟の患者から薬剤耐性菌のカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)が検出されるケースが相次いでいる。発症した場合、有効な抗菌薬が限られているため、治療が難しくなる可能性もある。患者からCREが検出された医療機関では、職員の手洗い・手指消毒の徹底に加え、患者ごとに使い捨て手袋やガウンを着用するといった対応を実施している。

 CRE感染症は、感染症治療薬の“最後の切り札”とされるカルバペネム系抗菌薬などに耐性を示す腸内細菌科細菌による感染症の総称。肺炎などの呼吸器感染症、尿路感染症、手術部位や外傷部位の感染症、敗血症、髄膜炎などを起こす。CRE感染症と診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出る必要がある。

 患者からCREが検出された医療機関は警戒を強めている。国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)は8月10日、複数の患者からCREを検出したと発表。「いずれの患者も感染症の発症には至っておらず、CREが住み着いているだけの状態(保菌状態)」などと説明。院内感染によるものかどうか、感染対策の専門家と連携して調査を進めている。

 患者からCREが検出された北九州市の病院も、▽患者ごとに使い捨ての手袋・ガウンを着用して接触する▽手洗いや手指消毒を徹底する▽清掃回数を増やす▽入院患者受け入れを制限する―といった対策を講じているという。

 CREの保菌者が発症するケースも絶えない。国立感染症研究所がまとめたCRE感染症の今年の患者報告数(8月20日時点)は、前年の同期と比べて99人多い985人。都道府県別では、東京が128人で最も多く、以下は福岡(85人)、大阪(81人)、神奈川(79人)、愛知(58人)、千葉(50人)、兵庫(39人)、埼玉(38人)、長崎(26人)、新潟(25人)、広島(24人)などの順だった。

 厚労省は今年3月、医療機関からCREなどの届け出があった場合、地方衛生研究所で検査を行うよう都道府県に通知しており、感染症発生動向調査の枠組みの中で遺伝子情報を収集、解析する体制の整備を進めている。将来的には、院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)と組み合わせて活用することも視野に入れており、質の高い情報を医療機関に提供してCREの拡大防止につなげたい考えだ。

(2017年8月30日 新井哉・CBnews)

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