日本ではClostridioidesClostridiumdifficile感染症(CDI)の多くが見過ごされている?

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 ClostridioidesClostridiumdifficileは、先進国における医療関連感染性下痢症の主要な原因である。後ろ向き研究では、日本では欧州や北米よりC. difficile感染症(CDI)の発生率が低いことが示されている。CDI発生率が実際に低いのか、不適切なC. difficile検査によるものかを調べるため、国立感染症研究所の加藤はる氏らが前向き研究を実施した。その結果、臨床的に意義のある下痢症患者を積極的に検査することによって、CDI発生率はわが国における今までの報告より高かった。この結果から、著者らは「日本ではCDI診断のための細菌学的検査が不適切であるため、多くのCDI患者が見過ごされていることを示唆している」と述べている。Anaerobe誌オンライン版2019年3月11日号に掲載。

 本研究は、2014年5月~2015年5月に日本の12医療施設(20病棟)で実施されたCDIの前向きコホート研究。24時間以内に3回以上の下痢便(Bristol stool Grade 6~7)が認められた患者が登録された。CDIは、酵素免疫アッセイによる糞便中toxin A/B検出、核酸増幅検査による糞便中toxin B遺伝子検出、または毒素産生性C. difficile培養検査における陽性例と定義した。C. difficile分離株について、PCR-ribotyping(RT)、slpA-sequence typing(slpA-ST)、薬剤感受性試験を実施した。

 主な結果は以下のとおり。

・CDIの全体の発生率は、7.4 CDI/10,000 patient-days(PD)であった。
・発生率は、5つのICU病棟で最も高かった(22.2 CDI/10,000PD、範囲:13.9~75.5)。
・検査頻度とCDI発生率は高度に相関していた(R2=0.91)。
・分離株146株のうち、RT 018/018''が最も多く(29%)、続いて014(23%)、002(12%)、369(11%)の型が続いた。
・15の非ICU病棟のうち、2病棟でCDI発生率が高く(13.0、15.9 CDI/10,000PD)、それぞれRT 018/slpA-ST smz-02および018"/smz-01による患者クラスターが認められた。
・RT 018/018"分離株はすべて、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、クリンダマイシン、エリスロマイシンに対して耐性であった。

(ケアネット 金沢 浩子)

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