スコットランドにおける双極性障害に対する処方変化

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 双極性障害患者は、一般的にうつや躁状態を予防するために、長期の薬理学的治療が必要とされる。しかし、エビデンスに基づくガイドラインは、しばしば従われておらず、一部の国では、リチウムの処方量は減少している。また、多剤併用も双極性障害の治療において一般的に認められる。英国・グラスゴー大学のLaura M. Lyall氏らは、2009~16年のスコットランドにおける双極性障害治療のための処方パターンについて、データリンケージアプローチを用いて評価した。The British Journal of Psychiatry誌オンライン版2019年2月28日号の報告。

 Scottish Morbidity Recordの処方データより、2009~16年に向精神薬を処方された双極性障害患者2万3,135例を特定し、6つの薬物カテゴリについて、処方された患者割合の傾向を調査した。何年にもわたる処方の変化は、ランダム効果ロジスティックモデルを用いて調べた。

 主な結果は以下のとおり。

・最も一般的な治療法は、抗うつ薬単独療法で24.96%であった。一方、リチウム単独療法は、5.90%であった。
・2009~16年で、抗精神病薬(オッズ比[OR]:1.16、95%CI:1.15~1.18)および抗てんかん薬(OR:1.34、95%CI:1.32~1.36)の処方は増加していた。一方、リチウム(OR:0.83、95%CI:0.82~0.85)の処方は減少していた。
・2009~16年で、バルプロ酸の処方は、女性(OR:0.93、95%CI:0.90~0.97)で減少したが、男性(OR:1.11、95%CI:1.04~1.18)で増加していた。

 著者らは「スコットランドでは、抗うつ薬単独療法が双極性障害の最も一般的な治療法であり、リチウムの処方は、2009~16年にかけて減少していた。本調査結果より、治療ガイドラインと臨床診療におけるギャップが明らかとなった」としている。

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(鷹野 敦夫)

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