アクリルネイルの流行で接触皮膚炎が急増

提供元:ケアネット

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公開日:2019/02/13

 

 (メタ)アクリレートは強力な感作性物質で、アレルギー性接触皮膚炎(ACD)の原因となるが、アクリルネイルの需要増に伴いACDの発症頻度が高まっている。これまで(メタ)アクリレートは、英国および欧州のbaseline patch test seriesで日常的に検査されていなかった。しかし、明らかな曝露歴のある患者に対する(メタ)アクリレートのパッチテストを予備検査として行った結果では、陽性率の高さが示唆されている。英国・Royal United HospitalのSophie Rolls氏らは、今回の検討結果から、英国のbaseline patch test seriesに2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-HEMA)2%ワセリンの追加を推奨するとした。著者は、「短鎖(メタ)アクリレート系は(メタ)アクリレートアレルギー患者のほとんどで検出される傾向があるため、これらの標準化を推奨する」とまとめている。British Journal of Dermatology誌オンライン版2019年1月31日号掲載の報告。

 研究グループは、baseline patch test seriesに2-HEMA 2%含有ワセリンを追加することで、治療可能な(メタ)アクリレートによるACDを検出できるかを検討した。対象者は(メタ)アクリレート曝露の既往歴を有する患者、または2-HEMA陽性患者で、2016~7年に英国の15施設の皮膚科において、8種類の短鎖(メタ)アクリレート系のアレルゲンを選択的に検査した。

 主な結果は以下のとおり。

・5,920例がbaseline patch test seriesのパッチテストを連続して受けた。うち669例は短鎖(メタ)アクリレート系テストも受けた。
・5,920例中102例(1.7%)は2-HEMAに、140例(2.4%)は1つ以上の(メタ)アクリレートに陽性反応を示した。
・2-HEMAがbaseline patch test seriesから除外されていた場合、5,920例中36例(全患者の0.6%)で(メタ)アクリレートアレルギーが見逃されていた可能性が示された。
・(メタ)アクリレートのうち陽性反応が最も出たのは、2-HEMA(102例、1.7%)で、次いで、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート(61例、1%)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(57例、1%)であった。

(ケアネット)