最新のがん統計:男性では前立腺がんが上位に

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 厚生労働省は、2016年に開始した「全国がん登録」による初めての結果を公表した。それによると、2016年において、新たにがん(上皮内がんを除く)と診断された患者は99万5,132例で、男性が56万6,575例(56.9%)、女性が42万8,499例(43.1%)だった。

 部位別の罹患数は、男性では胃(16.4%)、前立腺(15.8%)、大腸(15.8%)、肺(14.8%)、肝(5.0%)の順で多く、女性では乳房(22.1%)、大腸(16.0%)、胃(9.8%)、肺(9.7%)、子宮(6.6%)の順で多かった。

 この結果を、2014年における「地域がん登録」に基づくデータと比較すると、罹患数の女性における順位は同じだったが、男性における2位と4位が入れ替わり、前立腺がんが増え、肺がんが減ったという結果であった。
※「がん登録」では、最初に診断されたがんを登録している。また、1人の人で、独立した2種類以上のがんが発見された場合、それぞれのがんを独立して数えるため、罹患数は延べ人数で示されている。

罹患率のピークは男性と女性で10歳ずれている
 2016年における全部位のがん罹患数を年齢階級別に見ると、15歳未満の小児が0.2%、15~29歳が0.5%、30~44歳が3.9%、45~59歳が12.7%、60~74歳が40.3%、75歳~99歳が42.3%の割合を占めた。また、罹患率(人口10万対)は、5歳以上で段階を踏んで上がっていき(5歳階級)、男性では60歳以上、女性では65歳以上の階級で1,000を超過した。罹患率のピークは、男性では85~89歳、女性では95~99歳であった。

 さらに、罹患率を都道府県別に見てみると、男女の総数は、長崎(454.9)、秋田(446.3)、香川(436.7)、北海道(428.2)、宮崎(426.4)の順で高かった。また、部位別の罹患率は、たとえば胃がんでは、新潟(74.7)、秋田(70.3)、山形(63.2)の順で高く、大腸がんでは秋田(73.7)、青森(72.2)、鳥取(71.4)の順で高かった。

 今回公表されたデータでは、どの地域で何歳の患者さんが、どのがんに罹患したかがわかるため、詳細な分析が可能となる。

「全国がん登録」制度の概要と作られた経緯
 全国がん登録は、がん医療の質の向上ならびにがん予防の推進のため、情報提供の充実、その他のがん対策を科学的知見に基づき実施するため、がんの罹患、治療、転帰などの状況を把握し、分析することを目的としている。

 「がん登録等の推進に関する法律」(平成25年法律 第111号)により、がんの初回診断が行われた病院などから都道府県知事に届け出られた者および市区町村長から報告される死亡者情報票によって把握されたがんによる死亡者を対象としている。また、2016年1月1日~12月31日にわが国で診断された日本人および外国人の事象を客体としている。集計は、国立がん研究センターにおいて行われた。

 国立がん研究センターによると、以前は、都道府県がそれぞれの自治体内で診断されたがんのデータを集めた「地域がん登録」制度が用いられていたが、住んでいる都道府県以外の医療機関で診断・治療を受けた患者や、途中で他県に移動した患者などのデータが重複する可能性があった。また、すべての医療機関が協力しているわけではなく、正確なデータを集めることが難しかったため、「全国がん登録」制度という新しい仕組みができたという。

■参考資料
厚生労働省 がん登録 全国がん罹患数
国立がん研究センター がん情報サービス 全国がん登録とは

(ケアネット 堀間 莉穂)

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