わが国の食道アカラシアの疫学~大規模レセプトデータより

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ケアネット

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 わが国の食道アカラシアの疫学と治療動向について、新潟大学の佐藤 裕樹氏、山梨大学の横道 洋司氏らの調査から、罹患率および期間有病率は他の国と同程度であること、食道がんの発症リスクはアカラシア患者で一般人口と比較し相対的に高いことが示された。また、主に実施されている治療法は食道拡張術であるが、経口内視鏡的筋層切除術(POEM)による治療の割合も年々増加していることがわかった。Journal of Gastroenterology誌オンライン版2019年1月3日号に掲載。

 食道アカラシアにおけるわが国の疫学研究は十分ではない。今回、著者らは日本における罹患率と期間有病率、食道がんとの合併率、治療動向を調査した。全国のアカラシア患者数は、2005~17年の大規模なレセプトデータベースを使用して推定した。また、登録されている診断コードより、食道アカラシアと食道がんを合併している患者を特定した。さらにアカラシアの治療介入について調べた。

 主な結果は以下のとおり。

・計549万3,650人の集団のうち、385人が食道アカラシアと診断された。
・罹患率は10万人年当たり0.81~1.37と算出された(男女比はほぼ1、診断時平均年齢は43.3±14.4歳)。
・期間有病率は10万人当たり7.0であった。
・年齢層にわたって、罹患率および期間有病率に統計学的に有意な増加傾向があった(すべてp<0.0001)。
・アカラシアを有する4人の男性が食道がんを発症し、アカラシアを有する食道がんの罹患率は100人年当たり0.25と推定された。
・治療介入については、64.7%の患者に初回治療として食道拡張術が行われ、そのうち56.9%で再治療が必要となった。
・POEMで治療された患者の割合は年々増加し、2017年は41.1%であった。

(ケアネット 金沢 浩子)

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