ローカルケアセンターの支援プログラム利用患者におけるアリピプラゾール持効性注射剤のアドヒアランス評価

提供元:ケアネット

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公開日:2018/11/08

 

 アリピプラゾール持効性注射剤(LAI)のためのASSUREプログラムのような患者支援プログラムは、統合失調症患者に対しLAIを含む医薬品の使用を支援できるよう考えられている。米国・大塚ファーマシューティカルD&C Inc.のMallik Greene氏らは、ローカルケアセンター(LCC)でのプログラムを利用している患者におけるアリピプラゾールLAIのアドヒアランスを評価するため、検討を行った。Current Medical Research and Opinion誌オンライン版2018年10月16日号の報告。

 2014年10月~2018年2月にLCCを利用した患者よりデータを収集した。LCCでLAI治療を受け、プログラムの追加支援サービスに参加している患者の特徴、アリピプラゾールLAIによるプログラムの種類および患者の費用負担について調査を行った。アドヒアランスは、フォローアップ中に順守された日数(PDC)として測定され、LCCを6ヵ月および9ヵ月利用した患者において推定した。PDCが80%以上の患者をアドヒアランス良好と定義した。

 主な結果は以下のとおり。

・234例がLCCで1回以上のLAI治療を受け、患者支援プログラムに参加していた。
・平均年齢は37.3(SD 13.5)歳、男性の割合は60.7%、メディケア対象者の割合は32.5%であった。
・LCCを積極的に利用していた患者は、6ヵ月以上で157例、9ヵ月で87例であった。
・フォローアップ期間中のPDCは、6ヵ月で97%、9ヵ月で98%であり、アリピプラゾールLAIのアドヒアランスは良好であった。

 著者らは「LCC利用患者は服薬アドヒアランスが良好であり、センターが提供する注射剤サービスが治療の障壁を減少させ、統合失調症患者におけるLAI抗精神病薬の治療継続の助けとなることを示唆している」としている。

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