日本における精神科病床への新規入院患者の在院日数に関する研究

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 新たに入院した精神疾患患者が、どのように医療資源を消費しているかを正確に理解することは、精神科医療に携わる臨床家や政策立案者にとって重要である。東京都医学総合研究所の奥村 泰之氏らは、日本における新たに入院した精神疾患患者のパターンおよび在院日数について調査を行った。Journal of epidemiology誌オンライン版2018年9月15日号の報告。

 厚生労働省が構築している、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を活用し、レトロスペクティブコホート研究を実施した。2014年4月~2016年3月に、精神病床へ新たに入院したすべての患者60万5,982例(1,621病院)について、入院から地域に退院するまでの日数を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・1ヵ月当たりの平均入院患者数は、2014年度で2万5,024例、2015年度で2万5,475例であった。
・入院患者数には季節的な傾向が認められ、夏期(7月)にピークを迎えた。
・患者全体における退院率は、90日以内で64.1%、360日以内で85.7%であり、入院料の種別により大きく異なっていた。
・たとえば、精神科救急入院料の90日以内の退院率によって131病院を5群に分類すると、最下位の病院群における退院率は46.0~75.3%であるのに対し、最上位の病院群における退院率は83.6~96.0%であった。
・同様に、認知症治療病棟入院料の90日以内の退院率によって486病院を5群に分類すると、最下位の病院群における退院率は0.0~23.4%であるのに対し、最上位の病院群における退院率は47.7~87.7%であった。
・都道府県ごとに360日以内の退院率に違いが認められた。たとえば、退院率が最も高い地域は東京都の90.5%であり、退院率が最も低い地域は山口県の78.0%であった。

 著者らは「NDBを活用することにより、精神病床へ新たに入院した患者における、入院料種別の累積退院率や病院レベルの退院率が初めて明らかとなった。本結果により、政策担当者がより実効性の高い施策立案をすることにつながり、臨床家が全国における自施設の退院率を理解し、より現実的な目標設定に活用できると期待される。なお、本結果には、精神病床入院患者の20%程度を占める生活保護受給者が含まれていないため、一般化可能性には留意が必要である」としている。

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