プラチナ+ペメトレキセドへのアテゾリズマブ併用、進行肺がん1次治療でPFS延長(IMpower132)/WCLC2018

提供元:ケアネット

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公開日:2018/09/27

 

 Stage IV非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療におけるペメトレキセドとプラチナ製剤の併用療法、およびペメトレキセドによる維持療法へのPD-L1阻害薬アテゾリズマブの上乗せ効果を検討した第III相IMpower132試験の結果が、カナダ・トロントで開催された第19回世界肺癌会議(WCLC2018)で、MDアンダーソンがんセンターのVassiliki A. Papadimitrakopoulou氏により発表された。

 IMpower132試験は、化学療法未治療の進行非扁平上皮NSCLC患者(EGFR/ALK陰性)を対象とし、カルボプラチンまたはシスプラチンとペメトレキセド併用→ペメトレキセド維持療法群(PP群)と、カルボプラチンまたはシスプラチンとペメトレキセド併用+アテゾリズマブ→ペメトレキセド+アテゾリズマブ維持療法群(APP群)を比較したオープンラベル多施設共同無作為化第III相試験である。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)。探索的評価項目はPD-L1発現状態による有効性であった。今回は、RECIST v1.1評価に基づくPFSとOS(中間解析)ならびに安全性データが発表された。

 主な結果は以下のとおり。

・APP群に292例、PP群に286例の患者が組み入れられた。
・全身状態は、APP群の43%、PP群の40%で良好(ECOG PS 0)であった。
・データカットオフ(2018年5月22日)の追跡期間中央値は14.8ヵ月であった。
・PFS中央値は、PP群5.2ヵ月に対し、APP群7.6ヵ月とAPP群で統計学的に有意に延長した(ハザード比[HR]:0.60、95%信頼区間[CI]:0.49~0.72、p<0.0001)。
・OSの中間解析では、統計学的な有意差は得られていないが、PP群と比較してAPP群で4.5ヵ月の数値的な延長が確認された(HR:0.46、95%CI:0.22~0.96)。
・Grade3/4の治療関連有害事象(TRAE)は、APP群で53.6%、PP群で39.1%の患者に発現した。Grade5の有害事象(AE)は、APP群で7.2%、PP群で5.1%の患者で発現し、それぞれ3.8%、2.6%が治療関連であった。

 Papadimitrakopoulou氏は、「プラチナ製剤とペメトレキセドによる併用化学療法にアテゾリズマブを追加することで、より優れた臨床的効果が得られることが明らかになった。進行非扁平上皮NSCLC患者の生存期間延長において、貴重な治療選択肢を提供することにつながる結果だ」と述べている。

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(ケアネット 遊佐 なつみ)

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