心血管疾患患者の17%がノンアドヒアランス:その要因は?

提供元:ケアネット

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公開日:2018/07/27

 

 大学病院では、心血管疾患患者のうち17%がノンアドヒアランスとされ、1日2回以上の服薬、比較的に若年であること、就労状況がノンアドヒアランスと相関していることが、東京女子医科大学の鈴木 豪氏らの研究によって明らかになった。American Journal of Cardiovascular Drugs誌2018年8月号に掲載。

 心血管疾患治療において、ノンアドヒアランスは深刻な問題である。今回の研究では、大学病院3施設の心血管疾患を患う外来患者1,372名(女性31%、平均67±12歳)を対象に自己評価質問票(Siegal scale)を用いてアンケート調査を行い、服薬アドヒアランスを前向きに検討した。ノンアドヒアランス要因のうち、「抑うつ症状」は、Patient Health Questionnaire-9のスコアが10以上の場合と定義した。

 主な結果は以下のとおり。

・計227人(17%)の患者がノンアドヒアランスとされた。

・多重ロジスティック回帰分析の結果、ノンアドヒアランスは以下の要因と相関があった。
 1日2回以上の服薬(OR=4.42[95%CI:3.02~6.48])
 65歳未満(OR=1.70[95%CI:1.23~2.35])
 就業中の人(OR=1.43[95%CI:1.03~1.99])

・抑うつはノンアドヒアランスの重要な要因ではなかった。

(ケアネット 生島 智樹)