小細胞肺がんへのペムブロリズマブ単独投与、PD-L1陽性例でより高い効果(KEYNOTE-158)/ASCO2018

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2018/07/03

 

 ペムブロリズマブは、PD-L1陽性固形がんに対するマルチコホート第Ib相試験KEYNOTE-028で、化学療法歴のある小細胞肺がん(SCLC)に対する有効性と高い忍容性が認められている。このKEYNOTE-028に続く試験として、SCLCを含む10種類とMSI-Hの固形がんを対象としたマルチコホート第II相試験KEYNOTE-158が行われた。そのSCLCの解析結果を、韓国・延世大学医学部延世がんセンターのHyun Cheol Chung氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表した。

 試験に登録されたSCLC患者は107例。患者は、3週ごとにペムブロリズマブ200mgを最大2年間投与された。追跡期間中央値は9.3ヵ月(0.5~22.3ヵ月)。前治療歴は1次治療が42%、2次治療が34%、3次治療以上が23%。PD-L1陽性は39%、陰性が47%、不明が14%であった。主要評価項目は客観的奏効率(ORR)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、奏効期間(DOR)、安全性。

 主要評価項目のORRは18.7%(95% CI:11.8~27.4%)。PD-L1発現状況別ORRは、陽性が35.7%(21.6~52.0%)、陰性が6.0%(1.3~16.5%)、MSI-H以外が91%を占めた。

 副次評価項目は、全症例でのPFS中央値が2.0ヵ月(1.9~2.1ヵ月)。PD-L1発現状況別では陽性が2.1ヵ月(2.0~8.1ヵ月)、陰性が1.9ヵ月(1.6~2.0ヵ月)。また、全体のOS中央値8.7ヵ月(5.6~12.0ヵ月)、PD-L1陽性では14.9ヵ月(5.6ヵ月~未達成)、陰性が5.9ヵ月(3.3~10.1ヵ月)。DORは未達成。

 治療関連有害事象の発現率は60%で、発現率10%以上のものは疲労感(14%)、皮膚掻痒(12%)、甲状腺機能低下症(12%)、食欲不振(10%)、悪心(10%)。Grade3~4の有害事象発現率は12%で、頻度が多かったものは急性膵炎(2%)だった。

■参考
ASCO2018Abstract

※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’Picksはこちら

(ケアネット)