dacomitinib、EGFR変異肺がん1次治療でOS延長(ARCHER1050)/ASCO2018

提供元:ケアネット

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公開日:2018/06/22

 

 EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療で、第2世代EGFR-TKI dacomitinibとゲフィチニブを比較した、第III相無作為化オープンラベル試験ARCHER1050最終成績を、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で、香港中文大学のTony Mok氏が発表した。ASCO2017で発表された同試験の無増悪生存期間(PFS)解析では、dacomitinib群14.7ヵ月に対し、ゲフィチニブ群9.2ヵ月と、dacomitinib群で有意に良好な結果を示した(HR:0.59、p<0.0001)。ASCO2018では、全生存期間(OS)結果の発表で、追跡期間中央値は31.3ヵ月。

・対象患者:EGFR変異陽性のStage IIIB/IV再発またはNSCLC患者(CNS転移患者は除外)
・試験薬:dacomitinib 45mg/日(D群)
・対照薬:ゲフィチニブ250mg/日(G群)
・主要評価項目は、独立評価委員会(IRC)による無増悪生存期間(PFS)。副次評価項目は、OS、治験担当医師によるPFS、奏効率、奏効期間、治療成功期間、安全性、患者報告アウトカム。

 主な結果は以下のとおり。

・452例が登録され、D群227例とG群225例で解析が行われた。
・OSは、D群34.1ヵ月に対しG群26.8ヵ月と、有意にD群で良好だった(HR:0.582、95%CI:0.582~0.993、p=0.0428)。
・アジア人サブグループのOSは、34.2ヵ月対29.1ヵ月と、D群で有意であった(HR:0.812 、p=0.1819)。
・有害事象は、下痢、爪周囲炎、ざ瘡様皮疹がD群で多くみられた。

■参考
ASCO2018 Abstract
ARCHER1050試験(Clinical Trials.gov)
ARCHER1050試験(JCO)

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(ケアネット 細田 雅之)