緑茶は口腔関連QOLに好影響~亀岡スタディ

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2018/06/07

 

 緑茶とコーヒーはどちらも健康によい効果をもたらすことが知られているが、口腔健康に関連する生活の質(OHRQoL)との関連は不明である。今回、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の南里 妃名子氏らは、高齢者コホートでの調査で、緑茶摂取量がOHRQoLと関連することを報告した。とくに男性では、1日3杯以上の摂取でOHRQoL不良リスクが減ることが示唆された。一方、コーヒー摂取量との関連は示されなかった。European Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2018年5月23日号に掲載。

 著者らは、京都亀岡スタディ(亀岡市在住高齢者を対象としたコホート研究)において、2012年のベースラインの横断的データを分析した。参加者は65歳以上の日本人7,514人(男性3,563人、女性3,951人)で、緑茶とコーヒーの摂取頻度などの自記式調査票に回答した。OHRQoLの評価には、高齢者の口腔健康問題を調べる自己申告のGeneral Oral Health Assessment Index (GOHAI)を用いた。GOHAIスコアが50点未満の場合、OHRQoL不良とした。

 主な結果は以下の通り。

・年齢、BMI、総エネルギー摂取量、飲酒、喫煙、薬剤服用、コーヒー摂取量、果物・野菜摂取量の調整後、男女とも緑茶摂取量の増加がGOHAIスコアと強い正相関を示した(男女とも、傾向のp<0.001)。

・一方、コーヒー摂取量は、すべての因子を調整後、男性(傾向のp=0.538)、女性(傾向のp=0.607)とも、GOHAIスコアとの間に統計的に有意な関連はみられなかった。

・OHRQoL不良の多変量オッズ比(95%信頼区間)は、緑茶摂取が「なし」「1日1杯未満」「1日1~2杯」「1日3杯以上」の順に、男性が1.00、1.01(0.80~1.27)、0.95(0.74~1.21)、0.78(0.61~0.99)(傾向のp=0.024)、女性が1.00、1.19(0.90~1.57)、0.98(0.74~1.29)、0.86(0.67~1.12)(傾向のp=0.014)であった。

(ケアネット 金沢 浩子)