PPIと認知機能低下は関連するのか~デンマークの大規模研究

提供元:
ケアネット

PPIと認知機能低下は関連するのか~デンマークの大規模研究のイメージ

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用と認知症の関連における研究は、相反する結果が報告されている。今回、南デンマーク大学のMette Wod氏らが、デンマークにおける2つの大規模な集団ベースの双生児研究で検討したところ、PPI使用と認知機能低下には関連が認められなかった。Clinical Gastroenterology and Hepatology誌オンライン版2018年1月29日号に掲載。

 本研究は前向き研究で、46~67歳の中年の研究(Middle Aged Danish Twin study、2,346例、認知機能評価を10年実施)および高齢者の研究(Longitudinal Study of Aging Danish Twins、2,475例、認知機能評価を2年実施)からデータを収集した。著者らは、全国処方登録のデータを使用し、調査登録前の2年間および追跡期間中のPPIの累積使用量を、規定された1日投与量(defined daily dose:DDD)で定量した。多変量線形回帰モデルを用いて、PPI累積使用量、ベースライン時の認知機能総合スコア、追跡期間中のスコア低下の関連について調べた。

 主な結果は以下のとおり。

・中年での研究では、調査登録前にPPIを使用している群でベースライン時の平均認知機能スコアがやや低かった。
・中年での研究では、PPI高使用者(400DDD以上)における調整スコアは、非使用者より低かった(PPI高使用者の平均粗スコア:43.4±13.1、非使用者の平均粗スコア:46.8±10.2、調整差:0.69ポイント、95%CI:-4.98~3.61)。
・高齢者の双生児の縦断研究では、PPI高使用者は、非使用者よりも調整スコアが高かった(PPI高使用者の平均粗スコア:35.2±10.8、非使用者の平均粗スコア:36.2±11.1、調整差:0.95ポイント、95%CI:-1.88~3.79)。
・認知機能低下については、高齢者の縦断研究では、ベースライン時と追跡期間のスコアの調整平均差は、PPI高使用者のほうが非使用者より低かった(PPI高使用者の平均粗スコア:ベースライン時36.6±10.1/追跡期間34.3±12.3、非使用者の平均粗スコア:ベースライン時38.1±10.5/追跡期間37.6±11.3、調整差:1.22ポイント、95%CI:-3.73~1.29)。
・中年での研究では、PPI使用の最も多い群(1,600DDD以上)は、非使用者よりも認知機能低下が若干少なかった(PPI高使用者の平均粗スコア:ベースライン時43.4±10.1/追跡期間時41.3±9.7、非使用者の平均粗スコア:ベースライン時49.1±10.2/追跡期間時46.3±9.9、調整差:0.94ポイント、95%CI:-1.63~3.50)。
・PPI使用者と非使用者のスコアの差は有意ではなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)