オシメルチニブ、東アジア人のCNS転移例における効果(AURA17)/ESMO2017

提供元:ケアネット

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公開日:2017/09/28

 

 オシメルチニブのT790M陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)のCNS転移例に対する有効性は、国際研究(AURA拡大およびAURA2試験のプール解析)で示されている。スペイン・マドリッドで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)においては、EGFR-TKIで進行した東アジア人患者のCNS転移例に対するオシメルチニブの第II相オープンラベル、シングルアーム試験AURA17の結果が報告された。

 AURA17試験では、無症状の安定したCNS転移患者が登録され、オシメルチニブ80mg/日の投与を受けた。評価項目は、RECISTによるCNS客観的奏効率(CNS ORR)、およびCNS奏効期間(CNS DOR)、CNS無増悪生存期間(CNS PFS)で、CNS全解析セット(CNS full analysis set:cFAS)59例と、測定可能なCNS転移のみを有する患者のCNS評価可能セット(CNS evaluable for response set:cEFR)23例で評価された。

 研究登録前の6ヵ月以内に脳放射線治療を受けていたのはcFASでは3例、cEFR(23例)は0であった。CNS ORRは、cFASで42%(95%CI:30~56)、cEFRでは70%(95%CI:47~87)であった。CNS DOR中央値は、cFASでは未到達(95%CI:9.2~NC)、cEFRでは11.1ヵ月(95%CI:8.2~NC)であった。CNSの病勢コントロール率は、cFASでは85%(95%CI:73~93)、cEFRでは91%(95%CI:72~99)であった。CNS PFS中央値はcFAS(95%CI:12.4~NC)、cEFR(95%CI:9.4~NC)のいずれも未到達であった。12ヵ月時において、cFASの70%、cEFRの61%の患者が生存中で、CNS無増悪であると推定された。

 当試験の結果は、T790M陽性進行NSCLC患者のCNS転移に対するオシメルチニブの国際研究結果と一致しており、東アジア人のCNS転移患者においても臨床的に意味のある効果を示した。

■参考
AURA17試験(Clinical Trials.gov)
AURA2試験(Clinical Trials.gov)
AURA2拡大試験(Clinical Trials.gov)

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(ケアネット 細田 雅之)