スマホ依存症になりやすい性格タイプ

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2017/09/05

 

 レバノン・Notre Dame University-LouaizeのJocelyne Matar Boumosleh氏らは、大学生サンプルにおけるスマートフォン依存症の有病率とうつ病や不安症との関連を評価した。PLOS ONE誌2017年8月4日号の報告。

 対象は、レバノンの大学生688人(平均年齢:20.64±1.88歳、男性:53%)のランダムサンプル。社会人口統計学、大学、ライフスタイル、性格特性、スマートフォン使用に関連する項目について質問を行った。26項目のスマートフォン依存尺度(Smartphone Addiction Inventory:SPAI)、うつ病および全般不安症の2つの中心的なDSM-IV項目を構成する簡潔なスクリーニングPHQ-2およびGAD-2を用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・スマートフォンに関連した強迫行動、機能障害、耐容性、禁断症状の有病率は非常に高かった。
・深夜のスマートフォン使用によって日中の疲れを感じる人35.9%、睡眠の質が低下した人38.1%、スマートフォン使用により睡眠時間が4時間未満の人35.8%であった。
・性別、居住地、週の労働時間、学部、学業成績、生活習慣(喫煙、アルコール摂取)、宗教は、スマートフォン依存症と関連が認められなかった。
・一方、スマートフォン依存症と統計学的に有意な関連が示されたのは、性格タイプA、学年(2年 vs.3年)、スマートフォン使用開始年齢の低さ、平日の過度な使用、家族への電話に使用することなく娯楽のために使用、うつや不安症を有する、であった。
・うつ病および不安症スコアは、交絡因子で調整した後、スマートフォン依存症の独立した正の予測因子であった。

 著者らは「性格タイプAの若者が、高ストレスや低気分を経験すると、ストレスに対処するメカニズムや気分をコントロールするスキルが不足し、スマートフォン依存症に非常に陥りやすい可能性がある」としている。

■関連記事
スマホSNS、2時間日以上でうつ病リスク増加:名大
女子学生の摂食障害への有効な対処法
たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

(鷹野 敦夫)