抗精神病薬に関する知識は治療効果に影響するか:慶應義塾大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/08/15 統合失調症患者における、処方された抗精神病薬の知識について、データは非常に限られている。また、処方された抗精神病薬に関する患者の知識が、服薬アドヒアランスに及ぼす影響についてはよくわかっていない。慶應義塾大学の長井 信弘氏らは、これらの関連について検討を行った。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2017年7月4日号の報告。 対象は、統合失調症(ICD-10)と診断された日本人外来患者81例。本研究のために開発した複数選択アンケートより、治療効果、種類および関連する神経伝達物質の観点から、患者に処方された主要な抗精神病薬に関する知識を評価した。各カテゴリにおいて、正確に回答した患者とそうでなかった患者の薬剤所有率(Medication Possession Ratios:MPR)を比較した。 主な結果は以下のとおり。 ・正確に回答した患者の割合は、抗精神病薬の効果30.9%、抗精神病薬の種類30.9%、関連する神経伝達物質7.4%と低かった。 ・正確に回答した患者とそうでなかった患者のMPRに差は認められなかった。 著者らは「この予備的結果から、抗精神病薬に関する患者の知識不足が示唆された。さらに、統合失調症患者において、処方された抗精神病薬に関する知識は、実際の服薬アドヒアランスに直接的に影響しない可能性を示唆している」としている。 ■関連記事 統合失調症、服薬アドヒアランス研究の課題とは 抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか うつ病の再発を予測する3つの残存症状:慶應義塾大 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Nagai N, et al. Pharmacopsychiatry. 2017 Jul 4. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 多枝病変のSTEMI、FFRガイド下完全血行再建か責任病変のみPCIか/NEJM(2024/04/19) ALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法、アレクチニブvs.化学療法/NEJM(2024/04/19) 進行肺がん、初診から治療までの待機期間が治療効果に影響/日本呼吸器学会(2024/04/19) 大腸がん患者の死亡リスクが高くなる超加工食品は?(2024/04/19) カルシウムとビタミンDの摂取は閉経後女性の全死亡リスクに影響せず(2024/04/19) 親を見れば自分の肥満リスクが分かる(2024/04/19) 特殊なMRIが治療抵抗性統合失調症の予測に有用か(2024/04/19) 日本における抗CGRP抗体の使用状況~日本頭痛学会会員オンライン調査(2024/04/19) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)