ACC/AHAガイドラインの費用対効果を他ガイドラインと比較

提供元:ケアネット

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公開日:2017/07/14

 

 2013年改訂の米国心臓病学会/米国心臓協会(ACC/AHA)の脂質異常症管理ガイドラインでは、アテローム性心血管疾患の1次予防のためのスタチン使用の推奨が拡大されたが、その費用対効果について他のガイドラインとの比較はなされていない。今回、米国・マウントサイナイ医科大学のDavid J. Heller氏らが費用対効果を比較したところ、ACC/AHAガイドラインは、集団レベルでは男女共により多くの人々を治療し、より多くの命を救い、費用はATP IIIガイドラインより削減されると推計された。個人レベルではスタチンの長期使用から恩恵を受けるかどうかは、心血管リスクの程度よりも錠剤数の負担(pill burden)による負の効用(disutility)に大きく左右されるという。Circulation誌オンライン版2017年7月7日号に掲載。

 本研究では、心血管疾患(CVD)Policy Modelを使用し、2016~25年の10年間で、ACC/AHAガイドラインを用いた場合の費用対効果について、現在の使用、Adult Treatment Panel III(ATP III)ガイドライン、45~74歳のすべての男性と55~74歳のすべての女性における中強度スタチンの使用と比較した。主要アウトカムは、増分費用効果比(ICER)および質調整生存年当たり10年間の治療必要数(NNT/QALY)とした。

 主な結果は以下のとおり。

・各々の方法は現状より大幅なベネフィットと正味の費用削減をもたらすと推定された。
・ATP IIIガイドラインを完全に順守した場合、現状よりスタチン使用者が880万人多くなり、NNT/QALYは35である。
・ACC/AHAガイドラインは、ATP IIIガイドラインよりもスタチン使用者が最大1,230万人多くなる可能性があり、限界NNT/QALYは68である。
・45~74歳の男性と55~74歳の女性における中強度スタチン使用は、ACC/AHAガイドラインよりスタチン使用者が2,890万人多くなり、限界NNT/QALYは108である。
・ベネフィットはすべての場合において女性より男性で大きい。
・これらの結果はスタチン開始やスタチンの毒性に関するリスクの違いにより異なるが、日々の薬物使用(錠剤数の負担)による負の効用に大きく依存する。

(ケアネット 金沢 浩子)