茶色のフライドポテトやトーストは、がんのリスク?

提供元:
ケアネット

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 食材の成分は、揚げる、焼く、焙るなど熱を加えることで化学変化が起こり、色や風味、食感などが良くなる。穀類、芋類、野菜など炭水化物を多く含む原材料は加熱調理の過程で、化学物質であるアクリルアミドを産生する。このアクリルアミドは水処理剤、土壌凝固剤など工業用途に用いられるポリアクリルアミドの原料となるのだが、食材中のアミノ酸(アスパラギン)と糖類(ブドウ糖や果糖)が、加熱(120℃以上)により反応し発生するという。

アクリルアミドはヒトの発がんリスクを上げるのか?
 アクリルアミドの発がん性は、2002年スウェーデンの動物研究で報告された。ヒトについては、2007年のオランダのコホート研究でER陽性乳がんなどの発症リスク増加が報告された。しかし、否定的なデータもあり、また排除しきれない多くの交絡因子(食品のアクリルアミド含有量の違いや、摂取状況の確認など)もある。そのため、米国国立がん研究所(NCI:National Cancer Institute)は、アクリルアミドについて、「発がん性は懸念されるが、ヒトに対する十分なエビデンスはない」としている。日本の農林水産省も「アクリルアミドの摂取量と発がんとの因果関係は確認されていない」としている。

アクリルアミド減量「Go for Goldキャンペーン」
 そのような中、英国では、英国食品基準庁(FSA:Food Standards Agency)と五輪金メダリストであるデニーズ・ルイス氏が協力して、アクリルアミド減量を目的とした「Go for Goldキャンペーン」を開始した。これは本年(2017年)1月23日に発表されたTotal Diet Studyで明らかになった、英国人の化学物質摂取が望まれる量を超えているという結果に基づくもの。このキャンペーンでは、国民にアクリルアミドの存在を知らせると共に、日常生活で摂取を減らす実践的な方法も啓発している。
 具体的には、でんぷん質の食材を加熱する際は、このキャンペーンの名前の由来となったゴールデンイエローまでにする(Go for Gold)。そのほか、食品パッケージを確認し、食材を加熱調理する温度と時間を超えないようにする、生の芋は冷蔵庫に保管しない、といったものである。とはいえ、でんぷん質の食材は、日常の食生活に重要なものであり意識するあまり栄養バランスを崩しては元も子もない。「Go for Goldキャンペーン」の主張の1つにも「バランスのとれたさまざまな食事をすること」とある。

(ケアネット 細田 雅之)

参考

英国食品基準庁ニュースリリース
農林水産省アクリルアミドに関する情報
NCI Acrylamide in Food and Cancer Risk

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