チェリージュースで認知機能が改善 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/12/07 アントシアニンを含む食物フラボノイドは、認知機能に良い影響をもたらし、認知症の予防や治療に有益な可能性があるといわれている。オーストラリア・ウーロンゴン大学のKatherine Kent氏らは、認知症高齢者を対象に、アントシアニンが豊富なチェリージュースを毎日摂取することが、認知機能の変化に影響を及ぼすかを検討した。また、血圧および抗炎症効果を、副次的アウトカムとして評価した。European journal of nutrition誌オンライン版2015年10月19日号の報告。 対象は、軽度から中等度の認知症高齢者49例(70歳以上)。対象患者は、チェリージュース200mL/日(介入群)またはアントシアニンを含まないコントロールジュース(対照群)のいずれかに無作為に割り付け、12週間摂取した。血圧および炎症マーカー(CRP、IL-6)は6、12週目に測定した。認知機能および血圧の変化は、ベースラインで調整したANCOVAとRMANOVAを用い評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・介入群において、言語の流暢性(p=0.014)、短期記憶(p=0.014)、長期記憶(p≦0.001)の改善が認められた。 ・介入群において、収縮期血圧の有意な減少(p=0.038)、拡張期血圧の低下傾向(p=0.160)が認められた。 ・炎症マーカー(CRP、IL-6)の変化は認められなかった。 本研究より、アントシアニンを豊富に含む飲料は、軽度から中等度の認知症高齢者の総アントシアニン摂取量を増加させ、特定の認知機能アウトカムを改善しうる実用的な手段であることが示唆された。 関連医療ニュース 認知症によいサプリメント、その効果は 1日1杯のワインがうつ病を予防 無糖コーヒーがうつ病リスク低下に寄与 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kent K, et al. Eur J Nutr. 2015 Oct 19. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 多枝病変のSTEMI、FFRガイド下完全血行再建か責任病変のみPCIか/NEJM(2024/04/19) ALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法、アレクチニブvs.化学療法/NEJM(2024/04/19) 慢性腎臓病の入院抑制を意図した電子記録+診療推進者介入の効果は証明されず(解説:浦信行氏)(2024/04/19) CPRはいつまで続けるべきか? In-Hospital CPA レジストリからの報告(解説:香坂俊氏)(2024/04/19) 進行肺がん、初診から治療までの待機期間が治療効果に影響/日本呼吸器学会(2024/04/19) 大腸がん患者の死亡リスクが高くなる超加工食品は?(2024/04/19) カルシウムとビタミンDの摂取は閉経後女性の全死亡リスクに影響せず(2024/04/19) 親を見れば自分の肥満リスクが分かる(2024/04/19) 特殊なMRIが治療抵抗性統合失調症の予測に有用か(2024/04/19) 日本における抗CGRP抗体の使用状況~日本頭痛学会会員オンライン調査(2024/04/19) [ あわせて読みたい ] Dr.香坂のすぐ行動できる心電図 ECG for the Action! (2015/10/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) ナベちゃん先生のだれでも撮れる心エコー(2015/09/08) Vol. 4 No. 1 HFpEF駆出率の保たれた心不全に対する診断と治療を考える(2015/08/21) HDLの質に注目した新たなアプローチ ―脂質異常症患者における高純度EPA製剤の投与意義―(2015/07/10) Dr.たけしの本当にスゴい症候診断(2015/07/07) Dr.小川のアグレッシブ腹部エコー 肝臓編(2015/05/08)