アジアの潜在的緑内障患者は60%、多くが中等度以上に進行

提供元:ケアネット

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公開日:2015/09/04

 

 緑内障は、かなり進行するまで自覚症状がないため潜在的な緑内障患者は多い。またアジアに多く、世界の緑内障患者の60%を占める。これまで緑内障患者の民族的な違いを検討した研究はなかったが、シンガポール・国立眼科センターのJacqueline Chua氏らは、中国人、インド人およびマレー人を対象としたシンガポール眼疾患疫学研究において、潜在的な緑内障患者はマレー人に多く、有病率に民族間で差がみられることを報告した。新たに原発性緑内障と診断された患者の約半数は、視野障害の重症度がすでに中等度以上であることも明らかになった。著者は、「潜在的な緑内障に関連した失明を減らすため費用対効果の優れる介入を実施するにあたり、こうした疫学データが役に立つだろう」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌2015年8月号の掲載報告。

 シンガポール眼疾患疫学研究には、年齢が40~80歳の中国人3,353人(2009~2011年)、マレー人3,280人(2004~2006年)、インド人3,400人(2007~2009年)が参加した。

 視野評価を含む眼検査により緑内障の診断を行い、新たに診断された(未診断)原発性緑内障の有病率、リスク因子および視覚特性について評価した。緑内障であると医師に言われたことがない、緑内障に対する治療薬を使用していない、または緑内障に対する手術を受けたことがないと回答した患者を、未診断原発性緑内障と定義した。

 主な結果は以下のとおり。

・参加者のうち原発性緑内障を有していたのは272人であった。このうち、196人(72.1%)が未診断原発性緑内障であった。
・未診断原発性緑内障の年齢調整有病率は、マレー人が最も高かった(2.65%、95%信頼区間[CI]:2.10~3.31%)。次いで中国人(1.51%、1.13~2.01%)、インド人(0.97%、0.64~1.43%)の順であった。
・多変量解析の結果、未診断原発性緑内障のリスク因子は、年齢が若い(オッズ比:1.04、95%CI:1.00~1.09、p=0.04)、マレー人(3.65、1.31~10.13、p=0.01)、原発性開放隅角緑内障(3.82、1.60~9.14、p=0.003)、眼鏡のチェックを毎年行っていない(9.29、3.43~25.21、p<0.001)、白内障の手術をしていない(4.19、1.68~10.48、p<0.001)であった。
・両眼失明の患者はいなかった。
・未診断原発性緑内障患者において、4.1±2.8%(平均±標準偏差)はすでに片眼が失明しており、56.0±7.2%は1眼以上で視野消失(MD値:-6dB以上悪化)がみられた。50~59歳では、49.0±14.0%が中等度以上の臨床的に重大な視野障害がみられた。

(ケアネット)