地中海食と認知機能の関連をRCTで検討

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2015/07/21

 

 酸化ストレスおよび血管障害は、加齢による認知機能低下に関連する。疫学的研究では、抗酸化物質に富み心疾患を予防するという地中海食が、認知機能の低下を遅らせると示唆されているが、臨床試験でのエビデンスはない。スペインInstitut d'Investigacions Biomediques August Pi SunyerのCinta Valls-Pedret氏らは、地中海食が、対照群と比較し、高齢者の認知機能に影響するかどうか調査した。その結果、オリーブオイルやナッツを加えた地中海食は認知機能の改善に関連していた。JAMA Internal Medicine誌2015年7月号に掲載。

 本試験は、並行群間無作為化臨床試験であり、スペイン・バルセロナにおける認知機能が正常かつ心血管リスクが高いボランティア447人(女性233人[52.1%]、平均年齢66.9歳)が、2003年10月1日~2009年12月31日にPrevencion con Dieta Mediterranea栄養介入試験に参加した。すべての患者は、最初に神経心理学的検査を受け、試験終了時に再検査を受けた。
 参加者は、エキストラバージンオリーブオイル(1L/週)を加えた地中海食、あるいはミックスナッツ(30g/日)を加えた地中海食、あるいはコントロール食(対照群:食事性脂肪を減らすためのアドバイスを実施)の3群に無作為に割り付けられた。
 主要アウトカムは、一連の神経心理テスト(Mini-Mental State Examination、Rey Auditory Verbal Learning Test [RAVLT]、Animals Semantic Fluency、Digit Span subtest from the Wechsler Adult Intelligence Scale、Verbal Paired Associates from the Wechsler Memory Scale、the Color Trail Test)に基づいた経時的認知機能の変化率とした。また、記憶機能、前頭葉機能(注意、遂行機能)、認知機能全般の3つの認知機能因子を構成する各テストでの変化の平均zスコアを使用した。

 主な結果は以下のとおり。

・介入期間(中央値4.1年)後、334例でフォローアップの再検査が可能であった。
・交絡因子を補正した多変量解析では、地中海食+オリーブオイル群が、対照群と比較し、RAVLT(p=0.049)とthe Color Trail Test part 2(p=0.04)でスコアが良かった。他の認知テストでは、群間差は認められなかった。
・同様に補正した後、記憶機能因子におけるベースラインからの変化(平均zスコアと95%CI)は、地中海食+オリーブオイル群では0.04(-0.09~0.18)、地中海食+ナッツ群では0.09(-0.05~0.23、p=0.04 vs.対照群)、対照群では-0.17(-0.32~-0.01)であった。
・前頭葉機能の因子におけるベースラインからの変化は、それぞれ0.23(0.03~0.43、p=0.003 vs.対照群)、0.03(-0.25~0.31)、-0.33(-0.57~-0.09)であった。
・認知機能全般の因子におけるベースラインからの変化は、地中海食+オリーブオイルでは0.05(-0.11~0.21、p=0.005 vs.対照群)、地中海食+ナッツでは-0.05(-0.27~0.18)、対照群では-0.38(-0.57~-0.18)であった。
・対照群では、すべての認知機能要素がベースラインから有意に(p<0.05)減少した。

(ケアネット 金沢 浩子)