精神疾患患者、救急受診の現状は

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 米国では年間推定約9万件の、精神疾患治療薬に関連した薬物有害事象での救急部門受診(ADE ED)が発生していることが、米国疾病予防管理センター(CDC)のLee M. Hampton氏らによる分析調査の結果、明らかになった。処方薬の種類ごとのADE ED受診率なども分析され、著者は「ADEを減らす努力は、すべての年代の成人を対象に必要だが、有害事象での救急部門受診が多発している薬物を優先する必要がある」とまとめている。JAMA Psychiatry誌オンライン版2014年7月9日号の掲載報告。

 米国において、2011年に精神疾患のために処方薬を使用した人は年間推定2,680万人で、全成人の11.5%であったという。精神疾患治療薬はメンタルヘルスに重要な役割を果たしているが、重大な有害事象を引き起こす可能性もある。

 そこで研究グループは、2009年1月1日~2011年12月31日の間に発生した精神疾患治療薬に関連したADE ED受診件数および受診率を明らかにする検討を行った。全国傷害電子監視システム-医薬品有害事象共同監視(NEISS-CADE)システムを用いて全米を代表するADE ED受診サーベイランスの記述的分析と、全米外来医療調査(NAMCS)および全米病院外来医療調査(NHAMCS)を用いて、外来受診の処方状況の記述的分析を行った。国を代表するサンプルとして19歳以上成人の、EDおよび外来受診医療記録をレビューし分析した。被験者は、抗うつ薬、抗精神病薬、リチウム、鎮静薬、抗不安薬、刺激薬の処方を受けていた。主要評価項目は、精神疾患治療薬の使用によるADE ED受診、および外来での精神疾患治療薬の処方数1万当たりのADE ED受診であった。

 主な結果は以下のとおり。

・2009~2011年において、精神疾患治療薬ADE ED受診は、年間推定8万9,094件(95%信頼区間[CI]:6万8,641~10万9,548件)であった。
・そのうち入院となったのは19.3%(95%CI:16.3~22.2%)、また19~44歳の患者は49.4%(同:46.5~52.4%)であった。
・処方薬別にみると、鎮静薬と抗不安薬によるものが3万707件(95%CI:2万3,406~3万8,008件)、抗うつ薬2万5,377件(同:1万9,051~3万1,704件)、抗精神病薬2万1,578件(同:1万6,599~2万6,557件)、リチウム3,620件(同:2,311~4,928件)、刺激薬2,779件(同:1,764~3,794件)であった。
・外来処方1万当たりでみると、抗精神病薬は11.7件(95%CI:10.1~13.2件)リチウムは16.4件(同:13.0~19.9件)であったのに対し、鎮静薬は3.6件(同:3.2~4.1件)、刺激薬2.9件(同:2.3~3.5件)、抗うつ薬2.4件(同:2.1~2.7件)であった。
・鎮静薬で使用頻度の高いゾルピデム酒石酸塩は、すべての成人精神疾患治療薬ADE EDの11.5%(95%CI:9.5~13.4%)を占めており、また、65歳以上の受診患者が21.0%(同:16.3~25.7%)と、いずれも、そのほかの精神疾患治療薬と比べて症例数が有意に多かった。

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