骨粗鬆症性椎体骨折への侵襲手術を比較

提供元:ケアネット

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公開日:2014/07/23

 

 近年、骨粗鬆症性椎体骨折に対しバルーン椎体形成術などの低侵襲手術が用いられているが、明らかな神経症状を来している症例には侵襲の大きな手術も必要である。独立行政法人地域医療機能推進機構 大阪病院整形外科医長の武中 章太氏らは、こうした手術について後ろ向きに検討した。結果、後方短縮骨切り術は、前方固定術ならびに前方後方合併手術より、治療成績が良好であることが示されたという。Asian Spine Journal誌2014年6月号(オンライン版2014年6月9日号)の掲載報告。

 骨粗鬆症性椎体骨折で手術を受けた患者のうち、前方固定術9例、前方後方合併手術8例、後方短縮骨切り術9例について後ろ向きに比較検討した。

 再手術の症例では再手術直前を、再手術なしの症例では最終観察時をエンドポイントと定義し術式間の成績を比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・手術時間は、前方後方合併手術群が他の2群よりも有意に長かった。
・術直後の矯正角は、前方固定術群より後方短縮骨切り術群のほうが有意に大きかった。
・統計学的な有意差はなかったものの、後方短縮骨切り術群でエンドポイントの腰痛、移動能力および矯正損失において良好な結果が得られた。

(ケアネット)