湿疹がある男子は恋愛に奥手?

提供元:ケアネット

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公開日:2014/07/22

 

 18~19歳の若者4,744例を対象に、湿疹の有病率と自殺念慮、精神衛生問題および社会的機能との関連を調べた結果、有病率は約10%であり、湿疹を有する若者は自殺念慮が、とくに男子で高いこと、また湿疹を有する男子では恋愛経験がない割合が高いこと(30%、オッズ比1.92)などが明らかにされた。ノルウェー・オスロ大学のJon A Halvorsen氏らによる住民ベースコホート研究の結果で、著者は、「思春期後半の湿疹は、自殺念慮や精神衛生問題と関連しており、一部の社会的機能との関連も認められた。今回の結果は、湿疹を有する若者に対する精神衛生問題に取り組むことの重要性を示すものである」とまとめている。これまで、湿疹を有する若者と心理社会的問題との関連はほとんど検討されていなかった。Journal of Investigative Dermatology誌2014年7月号(オンライン版2014年2月4日号)の掲載報告。

 研究グループは、オスロに住む若者(18~19歳)を対象とした断面アンケート調査(健康・ライフスタイルに関する200超の質問項目からなるアンケートで、一部に心理社会的因子と皮膚問題を含んでいた)を行った。

 検討の主要目的は、湿疹と自殺念慮、精神衛生問題、社会的機能との関連を調べることであった。副次目的は、湿疹+かゆみと自殺念慮、精神衛生問題との関連を調べることだった。

 社会的機能については、5つの質問項目(家族との関係性、友人との関係性、学校での積極性、いじめの経験、恋愛関係)で評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・調査は4,744例に対して行われ、全体の有効回答率は80%(3,775例)であった。
・湿疹の有病率(有効回答3,556例)は、9.7%であった(女子11.9%、男子7.0%)。
・湿疹を有する若者で自殺念慮を報告したのは15.5%であった。一方、湿疹を有さない若者では9.1%であり、多変量モデルにおいて湿疹を有する若者と自殺念慮との有意な関連が認められた(オッズ比[OR]:1.87、95%信頼区間[CI]:1.31~2.68)。性別では、女子のORは1.74、男子のORは2.29であった。
・サブグループ分析において、自殺念慮の有病率は、湿疹とかゆみがある若者では23.8%と、湿疹のない若者と比較して有意な関連が認められた(OR:3.57、95%CI:2.46~5.67)。
・湿疹は、精神衛生問題とも関連していた。Strength and Difficulties Questionnaire評価ではORは1.72(95%CI:1.21~2.45)、Hopkins Symptom Checklist 10評価ではORは1.63(同:1.23~2.16)であった。
・湿疹を有する男子は恋愛経験者が少ない傾向が認められた。恋愛経験がないと回答したのは、湿疹を有する男子では30%、湿疹がない男子では23%であった(補正後OR:1.93、95%CI:1.21~3.08)。なお、女子では関連はみられなかった。

(ケアネット)