COPDの死亡率 冠動脈石灰化と相関

提供元:ケアネット

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公開日:2014/07/22

 

 冠動脈石灰化の重症度と肺気腫の重症度は関連しており、さらに冠動脈石灰化の重症度は中等症から重症の肺気腫を有する患者の予後とも、独立した強い相関が認められたことがオーストラリア・クイーンズランド大学のPhoebe E O'Hare氏らにより明らかにされた。Journal of Computer Assisted Tomography誌オンライン版2014年7月8日の掲載報告。

 今回の横断的研究では、肺気腫とは別に、CTによりCOPD患者の冠動脈石灰化を調査し、それが予後とどのように関係するのかを調べた。

 妥当的な冠動脈石灰化の視覚的な順序尺度(CAC ordinal visual scale)(レンジ:0~12)とCTによる視覚的な肺気腫の指標(visual CT emphysema index)を用いて、ungate胸部CT(非造影)により冠動脈石灰化と肺気腫の関係を検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・合計200のCT画像を分析したところ、総死亡率は4以上の冠動脈石灰化の視覚的な順序尺度と関連しており(ハザード比:2.03、95% Cl:1.08~3.82、p=0.028)、また中等症から重症の肺気腫の指標とも関連していた(ハザード比:4.34、95% Cl:1.53~12.33、p=0.006)。

・重症度が高い肺気腫、心筋梗塞、高血圧、男性は、4以上の冠動脈石灰化の視覚的な順序尺度と独立した相関が認められた。

 ungate胸部CT(非造影)に基づいた冠動脈石灰化の視覚的な順序尺度が、冠動脈疾患のスクリーニングツールとして、またCOPD患者の予測マーカーとして使用できるかどうかについては、今後、前向きな研究が必要である。

(ケアネット 鎌滝 真次)