妊娠初期のうつ・不安へどう対処する

提供元:ケアネット

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公開日:2014/07/14

 

 うつ症状を有する妊娠中の女性について、妊娠初期に血清ビタミンD値が低いほどそのリスクが高い逆相関の関連性があることがエビデンスとして示された。また同関連は、身体活動度によって修正可能であることも示された。米国・ワシントン大学のJonathan Y. Huang氏らが報告した。Journal of Women's Health誌オンライン版2014年6月11日号の掲載報告。

 本検討は、妊娠初期の血清ビタミンD値とうつ症状、不安症との関連、およびその潜在的修正因子との関連を明らかにすることを目的とし、妊婦コホート(498例)を対象に妊娠初期(平均15.4週)の血清25[OH]D値とうつ症状および不安症との関連について断面調査を行った。症状の評価は、Depression, Anxiety, and Stress Scales(DASS-21)とPatient Health Questionnaire Depression Module(PHQ-9)が用いられた。妊娠前BMI、余暇の身体活動度(LTPA)による適合・効果修正を行った回帰モデルを用い、相互作用と層別化解析にて評価を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・血清25[OH]D値の平均値は34.4ng/mLであった。・約12%が、「中等度」の不安症(スコア10以上)とうつ症状(スコア10以上)を有していた。
・血清25[OH]D値1ng/mL低下につき、DASS-21 Anxietyスコアは0.043上昇(p=0.052)、PHQ-9は0.040上昇(p=0.029)と関連していた。
・血清25[OH]D値の四分位範囲最低位(28.9ng/mL未満)群は、同最高位(39.5ng/mL以上)群よりも、PHQ-9スコアは1.11高かった(p<0.05)。
・一方で、完全補正後モデルでは、関連性は弱まり統計的に有意ではなくなった。
・血清25[OH]D値とうつ症状の逆相関の関連性は、LTPAを報告しなかった被験者においては有意であったが、同報告がある患者ではいずれの活動度においても有意差はみられなかった(相互作用p=0.018)。

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(ケアネット)