サノフィ 前立腺がん治療薬「ジェブタナ」(カバジタキセル)が製造販売承認取得

提供元:ケアネット

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公開日:2014/07/10

 

 サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ジェズ・モールディング)は、7月4日、前立腺癌の効能・効果で「ジェブタナ点滴静注60mg(以下ジェブタナ)」(一般名:カバジタキセル アセトン付加物)の製造販売承認を取得したと発表。

 ジェブタナは、細胞内の微小管に作用して細胞増殖を阻害する抗がん剤。海外の第III相試験(TROPIC試験, NCT00417079)において、全生存期間の有意な延長を示した1)(ミトキサントロン併用群12.7ヵ月vs カバジタキセル群15.1ヵ月、HR=0.70、95%CI:0.59-0.83、P<0.0001)。

 前立腺がんは男性ホルモンの影響を受けて進行するため、転移が認められた前立腺がんでは多くの場合、まず男性ホルモンの分泌や働きを抑えるホルモン療法が標準的に施行される。しかし、去勢抵抗性前立腺がんと呼ばれる、男性ホルモンの分泌が抑えられているにもかかわらず病勢が進行する状態がしばしば認められる。

 この去勢抵抗性前立腺がんには、標準治療としてドセタキセルによる化学療法が行われるが、ドセタキセルの投与を受けたものの症状が進行した患者さんに対しては、生存期間の延長に寄与できる治療法は限られている。

 ジェブタナは、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、医療上の必要性が高い薬剤と評価され、2012年4月に厚生労働省より開発要請を受けた。その後、海外第III相試験結果、国内第I相試験結果等に基づき、2013年7月承認申請を行い、優先審査品目として審査・承認された。 2014年1月現在、海外では85の国又は地域で承認されている。

1)de Bono JS et al. Lancet 2010; 376: 1147–1154.

参考資料
・販売名: ジェブタナ点滴静注60mg
・一般名:カバジタキセル アセトン付加物
 承認された効能又は効果:前立腺癌
・承認された用法及び用量: プレドニゾロンとの併用において、通常、成人に1 日1 回、カバジタキセルとして25 mg/m2(体表面積)を1 時間かけて3 週間間隔で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量すること。

サノフィ プレスリリース(PDF)

(ケアネット 細田 雅之)