にきび治療への有効性を比較、抗菌薬 vs ピル

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2014/06/24

 

 米国ハーバード・メディカル・スクールのEubee Baughn Koo氏らは、にきび治療における、抗菌薬と経口避妊薬(OCP)の有効性を比較するメタ解析を行った。両者がにきび治療に有効であることは判明しており広く使用されているが、有効性について直接比較した検討はほとんど行われていなかった。結果、3ヵ月時点では抗菌薬が優れていたが、6ヵ月時点では同等であることが示され、著者は、「女性における長期のにきび治療では、ピルがファーストライン治療薬として全身性の抗菌薬の代わりとなるだろう」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2014年5月28号の掲載報告。

 メタ解析は、Preferred Reporting Items for Systematic ReviewsとMeta-Analyses and Cochrane collaboration guidelinesに則して行われた。

 226本の刊行レビューから、包含基準を満たした32本の無作為化試験を解析に組み込み分析した。

 主な結果は以下のとおり。

・3ヵ月時点と6ヵ月時点で、抗菌薬およびOCPはいずれもプラセボと比較して、炎症性病変、非炎症性病変、全病変の減少率がより大きかった。
・各評価時点の抗菌薬およびOCP治療は、3ヵ月時点における全病変の減少率が抗菌薬のほうがOCPよりも優れていたが、それ以外は下記のように統計的に同等であることが示された。
 加重平均炎症性病変減少率
  3ヵ月時点:抗菌薬53.2%、OCP 35.6%、プラセボ26.4%
  6ヵ月時点:抗菌薬57.9%、OCP 61.9%、プラセボ34.2%
 加重平均非炎症性病変減少率
  3ヵ月時点:抗菌薬41.9%、OCP 32.6%、プラセボ17.1%
  6ヵ月時点:抗菌薬56.4%、OCP 49.1%、プラセボ23.4%
 加重平均全病変減少率
  3ヵ月時点:抗菌薬48.0%、OCP 37.3%、プラセボ24.5%
  6ヵ月時点:抗菌薬52.8%、OCP 55.0%、プラセボ28.6%
・本検討は、試験治療の不均一性および刊行バイアスの点で限定的である。

(ケアネット)